Wearable Ideas RLL

自由とは危険なものだよ

と勝新を見ながらバルテュスは言った。





夏休みが終わってしまう焦燥感。もちろん宿題なんかやってない。たまにこんな風に絵日記を書くくらい。

子供の場合、夏休みが終わると憂鬱な新学期が始まるものだが、ある事情の大人の夏休みは、夏が終わっても始まるものがないから憂鬱になるのだ。

最近のヘビーローテーションは勝新の「反省してない」発言のサンプリングで始まるDj Hikaruの「Not-hansei」ミックス。反省は人を成長させるが、しすぎると人は堕落する。そんなときはやはり踊るのがよろしい。

日本一危ない音楽.jpg

『日本一あぶない音楽 河内音頭の世界』 全関東河内音頭振興隊編 1991 JICC出版局

ワールド・ミュージックなんぼのもんじゃい。ブルースよりもコクがあって、R&Bより軽快で、ジャズよりもススリングで、ラップよりも能弁で、ファンクよりもプッツンしてて、日本が何よりも世界に誇るべき超ド級の都市音楽、河内音頭たあぁ、こんな音楽だ。

執筆人:朝倉喬司、伊達政保、星野斉、飯田俊、鷲巣功、村井市郎、持田寿一、藤田正、佐原一哉、吉田成巳、大月隆寛、竹中功、団鬼六、小嶋さちほ、中川道弘、土田杳乎、柴山とも子、山口昌男、紅龍(上々颱風)、松田修、中村とうよう、河内家菊水丸、松林茂


犯罪・芸能評論家の朝倉喬司さんが隊長を務めていた「全関東河内音頭振興隊」の本。錦糸町に河内音頭を根付かせた先人たちに感謝。朝倉さんは去年でオーガナイザーを降りたとのことなので今年はどんなカンジになるのでしょうか。おそらく例年と変らない素晴らしい祭りになるはず。「変りゆく同じもの」ってやつか。

伊達政保による錦糸町河内音頭の私史、藤田正のダンス・ミュージック論、佐原一哉のワールド・ミュージック論(レゲエやカッワーリーとの比較)、山口昌男による錦糸町のウンベルト・エーコ(氏いわく「今回、日本で見聞きした、最も躍動的な空間だった」)エピソードが特に面白かったです。

河内家菊水丸の「ボブ・マーリー物語’97」聴きたくなってきた!
あとこの映画も観たい!

【予告編】河内家菊水丸 監督作品『田中徳三監督 少年河内音頭取り物語』

田中徳三監督『悪名』での勝新の河内音頭シーン!


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Aug 22, 2009 12:23 pm

なんとかフェス、なんとかスタート! らしい・・・

現地の∞+∞=∞くんから電話があって、「機材のセッティングも終わり、音もいい感じでまったり楽しんでるよー」と最新情報が。「なんとかフェスのブログにケータイから書き込みできないんで、ブチョー、代わりに更新お願い!」とログインIDとパスワードを教えてもらったが、なぜかログインできず。電話しても繋がらない。楽しんでるんだろうーなあ。

なんとかフェス2009
http://nantokafes.exblog.jp/

明日インテリパンクが現地入り。なんとかフェス公式?TシャツはDiYスタイルで。黒のボディを用意しているのでスプレー吹きかけて自作を楽しもう。

なんとかTシャツ.JPG

で、ワタクシ、ハーポ部長は何をしているかというと、東京待機。
ヤマはヤマでも、都市の中の辺境、山谷のお祭りに参加してます。

山谷夏祭り2009
http://blog.goo.ne.jp/harumi-s_2005/e/785398c205becc92cfe943c697391f64

飲んで、歌って、踊って、ワッショイ!
いざ酔わん!そして連帯を!抵抗を!
山谷夏祭り2009
8月22日~23日
山谷・玉姫公園にて開催

 今年も夏祭りの季節がやってきました。
 山谷夏祭りそもそもの始まりは、かつて山谷に仕事がたくさんあり、多くの労
働者がまだ若く現役でバリバリ働いていた頃。お盆で飯場が休みになると、帰る
故郷のない日雇いの仲間たちは皆山谷に帰ってきました。 そこで、山谷を故郷
として帰ってくる仲間と共に旧交を温めるため、仕事から帰って来た仲間が仕事
にアブれてアオカンしている仲間を元気づけるため、亡くなった仲間を弔うた
め、夏祭りを開催してきました。
 今ではほとんどの仲間が失業して野宿していたり、生活保護を受けていたりし
て、かつて活況を呈した山谷とは状況は変わってしまっているのですが、仲間同
士の団結を固め、これからの暮らしや闘いの励みにするべく、夏祭りは続けられ
ています。 また、2年前からは主催を実行委形式に切り替え、山谷に縁のある
様々な個人や団体、上野・浅草・隅田川・荒川・竪川など各地で野宿する仲間
が、新たに出会い、交流を深め、協働する場としても位置付けています。

 現在、未曽有の経済危機と言われる中、ますます多くの人々が職を失い、住ま
いを失い、厳しい困窮状態に陥っています。また、公園や河川敷からの野宿の仲
間の追い出し、一部の地域住民による炊き出しつぶし、外国人への差別むきだし
のバッシングなど、排除と排斥の嵐も吹き荒れています。

しかし、人々を搾取し、競争させ、使い捨て、そして排除する社会の構造は、今
に始まったものではありません。山谷に集う仲間たちはじめ多くの人々が、それ
を自分自身の歴史として知っています。そして、そこで終わりではないことを、
闘いながら生き抜くたくましさを、弱肉強食を拒否し仲間と支え合って生きる喜
びを、その身に刻みこんできました。

「ホームレス」「日雇労働者」「ネットカフェ難民」「ワーキングプア」「派
遣」・・・貧しい私たちに付けられた呼び名は様々です。しかし、誰かがどんな
に私たちをバラバラに分断し、社会のどこか見えないところへ追いやろうと企ん
でいても、私たちはここにともに立ちたい、出会いたい。私たちを抑圧するあら
ゆるものに対して、地域を越えて、国境を越えて、手を携え立ち向かっていきた
い。そう強く願っています。
ぜひ足をお運びください、ともに最高の祭りを作り上げましょう。

〈スケジュール〉
◆1日目のみ
12:30 山谷労働者福祉会館にて打ち合わせ
      →玉姫公園へ搬入・設営
◆ 両日とも
14:30~打ち合わせ、協働炊事準備
16:00~21:00 夏祭り開催
※山谷の仲間とともに祭りを120%満喫するためにも打ち合わせからの参加を
お勧めします!

◆亡くなった仲間の追悼
◆フランク、もつ煮、じゃがバタ等の屋台
◆ゲーム、ライブ、カラオケ
◆盆踊り(河内音頭、炭坑節、東京音頭ほか)

◆私たちはこの夏祭りが、性別、年齢、国籍、能力の差などによる差別や抑圧な
く運営されることを希望し、セーファースペースの取り組みを行います。もし、
何か気になることがあればお気軽にお声をおかけください。皆様のご協力をよろ
しくお願いいたします。


  • HarpoBucho
  • Tag:
  • By harpobucho / Aug 22, 2009 12:57 am

今週末に長野のフェスでステンシルしませんか?

なんとかステンシルUP.jpg

世の中の様々な困難に対して助け合い、つながり合うフェスティバル!!
「なんとかフェス2009」
http://nantokafes.exblog.jp/

8月21日(金)準備 + 前夜祭18:00ごろスタート!
8月22日(土)昼ごろから深夜まで、音楽、映像、遊戯!
8月23日(日)昼ごろから夕方まで、音楽、映像、遊戯! + 後夜祭
8月24日(月)シークレットイベント(片付け)
会場 ジローズスモーキービッグマンテン(長野 安茂里)
http://nantokafes.exblog.jp/10703796/


に参加します。
おいらは格安高速バスで土曜日昼すぎ到着で日曜昼過ぎに出発します。

あまりに告知が惨いんで、身内イベントっぽくなってる気がしますが
知らない人と共同作業を通じて友人になれるチャンスだと思うので
色んな人がくるといいと思うよー
どうやら水やトイレやテントは用意できたみたいだからさー


そこでおいらはステンシル体験Tシャツワークショップをします。
参加するみなさん、Tシャツのプリントを体験しませんか?
フォトのステンシルは、今晩カッターでキリキリ夜なべします。
うまくカーブを切れなかったら笑ってください。

さてTシャツボディを金曜には買い込みます。購入どこがいいかなー?
スプレーはシルバーやゴールドを予定してます。
ショッキングピンクもお洒落かもねー


緊急リリース!

RLL 47 Nantoka Festival 2009 D.I.Y.&ANARCHY
 不況だテロだ戦争だミサイルだ自由も民主も無い政党だか知らねーが、ますますクソになっていく退屈な世界の中で麻痺していく不感症の感性やら知性がバキバキにおっ勃つか、ドロドロに濡れるかするためには思想地図なんかより思想膣のGスポットかクリトリスがどこにあるか手探りし、草の根分けて肉襞掻き分け古びてしなびたシシ肉わななき揺れる天井大伽藍大歓喜天に習合し、日の本が一つどころに寄るようだ、嗚呼、朕はもう、崩御崩御と、大撃沈、昇る天に因果は巡り、さあ、今宵、全裸で天国を強姦する準備は整った!!やるしかない!!全国に散らばった魑魅魍魎有象無象の落ち零れ、つむじ曲がりの穀潰しかき集めて、「てめーらの祭はてめーらでやる」って選挙で叫んだ、あの、公約をここにに実現せん!!と、公安警察要チェック間違いなしのとんでもない長野作戦の全貌が、今、明らかに!!
 てめーらの祭りはてめーらでやるって、集まってたくらんで、盛り上がる!!さあ、もう、やるしかない!全部作り上げるんだ!Burning Nantoka!!

なんとかステンシル.jpg


  • Intellipunk
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  • By intellipunk / Aug 20, 2009 12:55 pm

コカイン資本主義

ドル札9割「コカイン汚染」=日本は最低水準-米調査

【ニューヨーク時事】米マサチューセッツ大の研究者らは18日までに、米国、カナダ、ブラジル、中国、日本の30都市以上で流通中の紙幣を分析したところ、米国では平均約90%の紙幣に微量のコカインが付着し、最も「汚染率」が高かったとの研究結果を発表した。日本は5カ国中最低の約12%、中国は4位の約20%だった。

 「コカイン汚染」は、筒状に巻いた紙幣を使ったコカイン吸引などで発生。銀行での札勘定の過程を通じ他の紙幣に汚染が拡大していく。2年前の同様の調査に比べ米国の汚染率は2割増しで、同大の研究者は、景気低迷でストレスに苦しむ人々がコカインに依存するようになっているのではないかと推測している。

 調査では、改良を加えたガスクロマトグラフ質量分析計を用い、各都市で収集した紙幣を調査。米国については17都市から集めた計234枚の紙幣を調べた。日本では16枚、中国では112枚を収集した。 




ギャング映画なんかでお馴染みの筒状に巻いた紙幣を使ってのコカイン吸引だが、なぜコカインの吸引具がマネーなのか、そのあたりを深く考えるのがバビロン・スタディーズの課題かもしれない。

日本の伝統的シャブカルチャーとアメリカ式のコカイン資本主義がぶつかりあっているのがいまの芸能裏街道なのか。裏と表を行き来しているマージナルマンとしての芸能人に注目している。

http://news.70.kg/%E9%85%92%E4%BA%95%E6%B3%95%E5%AD%90


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Aug 19, 2009 12:30 pm

Free Media Research Radio

freemediaresarchRADIO.jpg

2009年7月4, 5日に開催されたインター・エイジア・カルチュラル・タイフーン2009のブースからフリーメディア・リサーチラボがお届けした『フリーメディア・リサーチラジオ 88.0MHz ─ Radio Gnome Invisible ─』のラジログです。


RLLの「かくめい生活研究所」カルタイ公開放送!
http://freemedia.researchlab.jp/events/rll/



ほかにも注目番組ぞくぞく!
「志賀直輝(aka KITOU SEISI)」「成田圭祐(Irregular Rhythm Asylum)」「毛利嘉孝、上岡誠二」「粉川哲夫」「イルコモンズ」「矢部史郎」「ひげビジョン」「大浦信行、小倉利丸、古川美佳」「ブラックリストの会」and more!
http://freemedia.researchlab.jp/

個人的に聞いてよかった、The Free Art and Technology (F.A.T.) Lab の紹介とフリーアート・ワークショップはこっちでも聞けます!
http://tokyo.fffff.at/events/fat-tokyo-cultural-typhoon/


  • Action
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  • By intellipunk / Aug 18, 2009 9:30 pm

異能の男:平岡正明追悼

平岡さんの語り映像が元席亭であるボクのウチにかなり眠っているので、それで追悼映像作ります、と言ったらなぜか出演することになってしまった。しかも、ボクだけ名前も肩書きもおかしいでしょ!

平岡さんとは本名で付き合っていたので、「ハーポ部長」という虚名はおかしいし、肩書きも狂っている。なんか冗談みたいだけど、これで冗談好きだった平岡さんの追悼ができればいいか、と。

CHANOMADのホリム・ベイの協力のもと愛情こめて追悼映像を作った。Youtube世代のために尺は10分間。世に出ていない膨大な平岡さんの落語的アジテーション映像がまだまだウチに眠っているのでなんらかのかたちでロングヴァージョンも世に出したい。

http://www.loft-prj.co.jp/lofta/

8.17(月) 「異能の男:平岡正明追悼」
【出演】
平井玄(作家・評論家)
伊達政保(作家・評論家)
末井昭(作家・編集者)
高取英(月蝕歌劇団主宰)
ハーポ部長(見立て狂いの偏集者)
他各分野からゲスト交渉中!
【コメンテーター】
本橋信宏(作家・評論家)

7月9日に68歳で永眠した平岡正明さん。
阿佐ヶ谷ロフトAにも過去2回出演してもらいました。
その偉大なる足跡を再確認するため、平岡さんを偲ぶ追悼イベントをやりたいと思います。
(店長:奥野テツオ)

東京に生まれ、ブントの一員として60年安保闘争に参加したり、猥褻図画頒布の容疑で警視庁から指名手配を受けたこともあり、澁澤龍彦の後任者として『血と薔薇』を編集したり、「犯罪者同盟」以来のアナーキーな行動や著作で、新左翼系文化のカリスマ的存在となり、太田竜、竹中労らと窮民革命論を唱え、”新左翼三バカトリオ”と呼ばれたり、松田政男、足立正生、佐々木守、相倉久人と「批評戦線」を結成し、雑誌『第二次・映画批評』を創刊したり、大山倍達の極真空手にも入門し、有段者だったなど、日本のありとあらゆる分野で多大な影響を与えた平岡正明の功績を讃え、皆で語り尽くす夜となります。

OPEN18:30 / START19:30
前売¥1,500 / 当日¥2,000(共に飲食代別)
前売チケットは8月4日より店頭販売、ローソン{L:38506}、下記WEB予約、電話予約にて受付ます。
http://www.loft-prj.co.jp/lofta/reservation/reservation.php?show_number=187


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  • By harpobucho / Aug 14, 2009 6:05 pm

こんな気分さ

「貧すれば鈍する」とはよくいったもんで、やはりある程度、カネに余裕がないと生命力おちていくみたい。ハングリー精神がどうも性に合わない。今月から家賃支払いの資金工面が大変になってきた。レント・パーティでもやりたいぐらい。バイトもしなくちゃな。っつーか就職か。「なんとかフェス」への参加も後ろ向きになる今日この頃。

高円寺一揆一周年記念のフィラスティンのライヴ映像。ECDの唾が飛ぶ距離で観てた。音いいね。アジア的なムスリムムード、何度確かめても残高ゼロな危機感、ショッピングカートを叩きたい衝動、すべてが今の気分にぴったり。

Filastine (featuring Nova & ECD) live at Heavysick Zero, Nakano, Tokyo, April 26 2009


パーフェクト・ベビーカーの「オールナイト・ロング」って曲の「ホームレスと君の差額は家賃」「幻覚世界にホームステイ」というパンチラインもグッとくるなあ。今のボクの政治的課題は自分のホームを守ることだ。馴染みの公園とか街とかじゃなくて、切実に棲家を。SAVE MY HOME。もはや「労働」という運動しかないのか。

パーフェクト・ベビーカー「オールナイト・ロング」
ここで聴けます。
http://veryveryverytedious.seesaa.net/


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  • By harpobucho / Aug 14, 2009 5:21 pm

今夜、ラジオチャンゴJP講座@Café★Lavandería

ラジオチャンゴ.jpg

ラジオチャンゴJP講座 Músic y revolución #1 AMPARANOIA

http://orphee.jp/radiochango/spip.php?article108

8月14日(金)20:00〜/入場無料(ドリンク代別)
講師:浜 邦彦(早稲田大学)
映像:Seguiré caminando 他
DJ:Yo→Ske
場所:Café★Lavandería

反G8のステージに立つアンパロ・サンチェス。
サパティスタに連帯するアンパロ・サンチェス。
住宅価格高騰に抗議するアンパロ・サンチェス。
西サハラの難民キャンプを訪れるアンパロ・サンチェス。
常に権力と対局の位置に軸足をおく
アンパロサンチェス率いるアンパラノイア。
そんなアンパラノイアがめざす
「もう一つの世界」を探ってみたい。

SOMOS VIENTO


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Aug 14, 2009 1:17 pm

オルタナティヴ

オルタナティブという言葉を廻っている。

一番知られているのは、ニルヴァーナがブレイクしたときの90年代の音楽シーンで使われたオルタナティブの使い方かな。

91年のSmells Like Teen Spiritの特大ヒットで、カート・コバーンは価値観の革命を起こしている。それまでの商業メタルやポップ化したロックの業界とそのルールに対して、代替的なやり方をつき通した。売るための積極的なプロモーションや各種売名行為への脱構築した態度。ステージ衣装や取材慣習や社交的態度、そして偶像崇拝をねつ造し続けるスターシステムへ、業界に拒否とともに新しいスタイルを提示した。全て芸術的感情を優先し、それを多くのグランジムーブメントの勢いとともに完逐しかけながら、彼は力尽きた。極論するなら、これらのスタイルを踏襲するのがオルタナティブ・ロックだろう。

もともとパンク以降に続いたポスト・パンク/ニューウェーブの広大なロックの脱構築後を指した言葉だった。それがアメリカンへ飛び火し、MTVとビルボードのメジャー世界の裏で、カレッジ・ラジオとZineと地元のネットワークの中でインディーシーンとして10年あまり熟成した。その一つの成果としてのニルヴァーナのブレイク、確かに音楽性ではなくその精神性とするならアメリカのパンクの表出だった。コミュニティーで繋がった音楽シーンを前提にして下から上まで、素人のファンから音楽業界のプレーヤーまでが有機的に繋がった世界観。インディーの世界からメジャーへ持ち込んだその姿勢は当時の相当な軋轢があったが、今ではそのルールも当然のようになっている。

(日本語ヒップホップにおける『MASS 対 CORE』やリアル問題、セカンド・サマー・オブ・ラブに影響されたThe Stone Rosesのジョン・スクワイアの「これからはオーディエンスの時代」発言など、同様の問題意識とルール改正がある地点で興った。「新しいアナキズム」と名指される価値観も同様の範疇を模索する。)

それそれ。時代の価値観を変えてしまうインパクトあるスタイル変革!



もうひとつ、有名な使い方は「もう一つの世界は可能だ!(Another world is possible!)」「もうたくさんだ!(iYA BASTA!)」と同じグローバル・ジャスティス・ムーブメントで使われる「オルタナティヴ」。世界社会フォーラムを紹介した『Another World Is Possible : Popular Alternatives to Globalization at the World Social Forum(邦題「もうひとつの世界は可能だ–世界社会フォーラムとグローバル化への民衆のオルタナティブ」)』でもタイトルにあるように、民衆のためのオルタナティヴ・グローバリズムを指す。そこでは、ダボス会議(世界財界会議)とG8(世界経済政府)とWTO(世界流通組織)とIMF/世界銀行(世界融資組織)の作っているメジャーの価値観への、代替価値観を提示して動いている。(そういや「もうひとつの世界は可能だ」の邦訳にはオザケンの『うさぎ!』で異議を呈されている→http://tu-ta.at.webry.info/200805/article_10.html
オルタ(結構好きな雑誌)』や『オルタナ(割と嫌いな雑誌)』の語源にもなってる。

まるで「そのやり方しかないわけないじゃん、こうじゃない世界もあるっしょ」ってオルタナティブの使い方が、カートのそれと同じである。しかもストレートな代案主義でもアンチな態度でもなく、その主流価値への見事な転倒を試みている、脱構築するアティテュードである。

どちらも新自由主義(市場価値を政治的に上位に置く経済合理主義)、消費商業主義、スペクタクル、管理と夜警、保険と私有、ベクトル階級の囲い込み、そして新保守主義に対抗する。「共有」と「友愛」と「創造」と「潜勢力」(共に固定化できない流動的で不可視で不安定な形態しかとれない価値)を人間の最大の価値として、オルタナティブは常に固定しない価値を創出する(それはデリダが差延と呼んだのに近い?)。


まとまらないが、とりあえず。
オルタナティブ・ライフスタイルは今ならどうだろう、と探しているんだ。もしオルタナティブ・ライフスタイルを具象化して目に見えるようにするなら、何なるだろうか? そこには、たくさんの文化を見つけるではないか。上野俊哉の「レイブ」に、今福龍太の「群島」に、酒井隆の「通天閣」に、平岡正明の「JAZZ」に、野田努の「デトロイト」に、いまここで再現出来ないだろうか?! 「可能なる」「明かしえぬ共同体」はどこに現れるのか?






とりあえすコレ行っときます!


TOKYOなんとか主催『なんとかフェス2009』
http://nantokafes.exblog.jp/
8月21日〜24日に長野で開催される野外イベント

8月21日(金)準備 + 前夜祭18:00ごろスタート!
8月22日(土)昼ごろから深夜まで、音楽、映像、遊戯!
8月23日(日)昼ごろから夕方まで、音楽、映像、遊戯! + 後夜祭
8月24日(月)シークレットイベント(片付け)
当日は1000円程度のカンパをお願いします!

会場 http://nantokafes.exblog.jp/10703796/
詳細 http://nantokafes.exblog.jp/10816960/


RLLとしてはー
ステンシルTシャツを出したいと思います、セルフのステンシル体験Tシャツコーナー作って。






オルタナティブ・ライフスタイルでいうと、四方田犬彦の「モロッコ」HarpoBuchoの「タンジェ」を具現化したTシャツをリリースしました。

「世界の都市」シリーズ第一弾!RLL46『タンジール』Tシャツ

こちらもよろしく。


  • Intellipunk
  • Tag:
  • By intellipunk / Aug 13, 2009 2:11 am

夏の新作は「世界の都市」シリーズ第一弾!

海外旅行する金がないので、「勝手に観光協会」みたいなノリで行きたい街のPR Tシャツを作ることにした。それで満足することにする。いや、実はその国の大使館から航空券が送られてくることを密かに願っているんだけど・・・

第一弾は思い出の地タンジール。タンジェって呼び名のほうがメジャーかもしれないけど、ビートニクの翻訳ものに倣ってやはりタンジールと呼びたい。

芸能界から麻薬を根絶させる、というシャブっぽい当局発言を今朝ワイドショーで聞いてわが耳を疑った。いったい歴史から何を学んでいるのか。「悪所」は秩序を維持する側にも必要でしょ。

悪所タンジールに思いを馳せる。
いい旅になりそうだけど、モロッコ大使館にとってはいい迷惑だろうな。

RLL46
http://www.rll.jp/hood/tee/rll46_tangier.php

「世界の都市」シリーズ第一弾!

タンジールはモロッコであってモロッコでない。スペインからジブラルタル海峡を隔てた、アフリカ大陸の北西の端に位置するこの街は、古代の昔から外国の侵入者たちから支配のたらい回しを受けてきた。モロッコに返還された1684年以降もスルタン(イスラム王侯)が代々支配を続け、第一次世界大戦の勃発直前には、西側帝国主義諸国の手により分割され、各国が共同で委員会を作り行政を運営する国際管理地帯となる。列強諸国の領事館や郵便局が次々と開設され、多数の外国人が暮らすコスモポリタンな街として名を馳せることとなる。税関や警察は多国籍の混成で、指揮系統はぐちゃぐちゃのカオス状態。関税はタダで、殺人や強盗などの深刻な犯罪以外は基本お咎めなしの自由度の高さを誇った。

第二次世界大戦後になると、好景気にあおられて、アウトローたちが大挙してタンジールに押し寄せる。自由港では、密輸業者や鉄砲・火薬類の密輸入者、海賊の末裔や、武器屋を営む元ナチス将校ら戦犯たちが我物顔に振る舞い、街中では本国からの送金で暮らす怠け者、法曹界から除名された弁護士、資格を持たない医師、聖職を追われた司祭など、ありとあらゆる「だめ人間」が男爵や貴婦人になりすまし、官能的な喜びに満ちた環境の中で過ごした。

1947年にその道の先駆者、作家のポール・ボウルズがこの地に外篭りを始めてから、多くの西洋の知識人が続々とやってくるようになる。トルーマン・カポティ、テネシー・ウィリアムズ、ウィリアム・バロウズ、ブライオン・ガイシン、アレン・ギンズバーグ、ジャック・ケルアック、ティモシー・リアリー、ジャン・ジュネ、サミュエル・ベケット、フランシス・ベーコンなど顔ぶれは多彩だった。

なかでも現地の悪童たちから「見えない男」と呼ばれていたバロウズの麻薬漬け生活は伝説で、男娼専門売春窟で一年間、風呂にも入らず服も着替えず、服を脱ぐのは一時間ごとに筋ばった身体に注射器をを刺す時だけという不摂生の極限を生き、後に『裸のランチ』を生み出すことになる(他に足のつま先だけを見つめて一年間とか、伝説は絶えない…)。

ボウルズの茶会(もちろんビートニクが隠語でいう「茶」のこと。モロッコでは「キフ」「マジューン」などと呼ばれる)でバロウズと意気投合し、彼のカットアップメソッドを共同開発したガイシンは、「千夜一夜」という名のレストランを開店、後にブライアン・ジョーンズがハマることになるジャジューカ出身の楽士をいち早くフィーチャリングし、呪術的な生演奏でタンジールのナイトライフを妖しく盛り上げた。

いかがわしい評判で鳴らした最高にフリーキーなこの港町も、1956年に独立国家となったモロッコに返還されてからは、とりとめのない観光地に衰退していく。売春婦や密輸業者、ぼろ儲けしていた銀行家などは蜘蛛の子を散らすよう消えていくなかで、ボウルズだけはその地に留まり続けた。ベッドの中でキフの影響下にある摩訶不思議な小説をタイプライターに打ち続けた。欧米から訪れる無粋な客を強烈なマジューンでもてなし、死にたくなるほどぞっとするような音楽をかけて愉しんだ(ボウルズは優れた音楽家でもあるのだ)。『タンジール通信』誌に自らを「ボランティア団体ヒューマニティーインターナショナル渉外部長」と名乗り、安心して自殺できる方法や、子猫料理のおいしいレシピなどナンセンスなジョークを読者に投げかけた。1999年に没するまでイルな異邦茶人としてタンジールに居続けたのだ。

背徳の街タンジールを胸に刻む。「安全・安心」の名のもとに不穏と不安を助長する街作りが進む東京でタンジールを着る。タンジールの元祖だめ連たちは、刑事訴追を受けることが実質上ないという国際統治都市の特権のなか、報復措置に脅えることなく「安全・安心」に本能の赴くままのびのびと生きていた。息苦しいバビロン暮らしのなか、タンジールというエキゾな響きに酔い、超現実的なノスタルジーに浸るのもいいだろう。あるいは、ジュネが「アメリカ人でない者は、それがどこであっても見つけ次第アメリカ人から物を盗まなければいけない」とモロッコ人作家に語ったように、金持ちの在留外国人に快楽として消費された側の心理と倫理に想像力をめぐらせ、バビロンを狡猾に生き抜く術を学ぶのもいいだろう。

2バージョンのTシャツをタンジールへ捧げよう。一つ目は、背に往年1938年の地図を配したデザイン、旧市街メディナの壁をイメージしたライトベージュのボディ。もう一つはモロッコタイルの模様を大胆にバックプリントしたデザイン、カラーはアッツァイ(ミントティー)をイメージしたグリーン。どちらもフロントはシンプルにTangier


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Aug 12, 2009 2:49 am

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