Wearable Ideas RLL

GUN&ROW

月曜日から濃いイベントが!
雁をこれからどう読んでいけばいいのか、きっかけになればいいな。

地下大学東京 6 月
http://www.chikadaigaku.net/

谷川雁と竹中労
───〈うた〉は殲滅されたのか?「日本の歌」から「日本禁歌集」へ

神谷一義(off noteレーベル主宰)+平井玄+本山謙二

・6月29日 19~21時
・素人の乱12号店・高円寺北中ホール
・資料代500円+投げ銭(自由意思)

「動乱の詩人」谷川雁が、筑豊の坑底に逆巻く粉塵のように甦ろうとしている。
『谷川雁セレクション』(日本経済評論社)が刊行され、道の手帖『谷川雁』(河出書房新社)が刊行された。
そして歌に執心したもう一人の動乱思想家、竹中労による1969年の録音記録集「日本禁歌集」全5巻(off note)も復刻されている。
  
「ある時ある場所で、私たちの皮膚を全開放する肉声」(雁)は、一体、いつどのようにして殲滅されたのか?
私たちは今こそ「動乱の歌」を必要としている。

『日本禁歌集ブックレット』の刊行を機に、鎮圧され埋葬された歌声を聴きながら、1960年の谷川雁による「日本の歌」論から、60~70年代の竹中による禁歌から琉歌への運動までを、off noteレーベルを主宰する神谷一義とともに語り合いたい。


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Jun 29, 2009 2:53 am

抜け殻におはよう

ボクのネーチャンライティング、もといネイチャーライティングの悲しい結末。

抜け殻2009.6.28.JPG

もう今は 彼女はどこにもいない

朝はやく 目覚ましがなっても

そういつも 彼女とくらしてきたよ

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




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  • By intellipunk / Jun 29, 2009 2:23 am

今週末のメニュー

今週末も異常に加熱した人々の交流が交差しているようです。出来ることなら全部参加したい!
以下、イベント羅列しますが、RLLクルーもどっかで集ってますのでよろしく。





明日 6/26(金)

copyleft.jpg

<シンポジウム>コピーレフトとアート−抵抗か、戦略か

コピーレフト、パブリックドメイン、クリエイティブコモンズ、、。様々な著作権の方式がある中、あえて作品をパブリックドメインにしたりするアーティストもいますし、ユーチューブなどで作品を見せる作家も多く居ます。

新たなテクノロジー誰でも簡単に、安価に既存のデジタルの素材をリミックスしたり、創り出したり、それを公の目にふれられるようにできるようになりました。著作権強化の動きは、そういった自由な表現を違法として縛ろうとしています。この動きには反対しなければならない一方で、アーティストはプロの表現者として著作権による収入が重要なのは間違いありません。抵抗としてのコピーレフト、そして戦略としても考えられるコピーレフト。そしてその提案者であるリチャード・ストールマンによる本来の意味を思い出しながら、ディスカッションいたします。

日時:2009年6月26日 午後7時より9時半ころまで
場所:創造空間9001 横浜市中区桜木町1-1-75(JR桜木町駅改札を出て右脇)
TEL 045-226-5511 http://www.9001.tv/index.shtml

入場料:500円

スピーカー:
金谷 憲 ひげビジョン フリーメディアリサーチラボ
作田知樹 アーツアンドロウ 横浜国際映像祭 キュレーションスタッフ
白田秀彰 法政大学 准教授 法学博士
藤井 光 アーティスト 
毛利嘉孝 東京芸術大学 音楽環境創造学科 准教授 

※30名まで/ご予約は、info@miaca.orgまで、お名前、ご所属をお書きになりお送りください。
http://www.miaca.org/




黒い大西洋.jpg

『「文化政治」は、もう終わったのか……?』
JUNKUトークセッション
黒い大西洋(ブラック・アトランティック)と知識人の現在』(松籟社)刊行記念
市田良彦×上野俊哉
(司会)小笠原博毅

■2009年6月26日(金)18:30~

『黒い大西洋(ブラック・アトランティック)と知識人の現在』(松籟社)の刊行を記念しての今回のトークセッション。本書では、各著者がそれぞれの手がかりから、ポール・ギルロイの『ブラック・アトランティック』(月曜社)を読み解き、「文化」についての先鋭な議論が繰り広げられました。今回は、本書の著者のおひとりである市田良彦さんと、『ブラック・アトランティック』の訳者のおひとりである上野俊哉さんをゲストにお招きして、まず市田さんから、『ブラック・アトランティック』を、どういった手がかりをもとに、いかに読み解いたかを、お話ししていただきます。対する上野さんには、市田さんへの応答とあわせて、『ブラック・アトランティック』や、今後紹介されるギルロイ氏の著作の重要性とインパクトについて語っていただきます。


《講師紹介》
市田良彦(いちだ・よしひこ)
1957年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科教授。主な著書に『ランシエール』(白水社)、『闘争の思考』(平凡社)など。訳書にルイ・アルチュセール、『哲学・政治著作集』(全2巻、共訳、藤原書店)、ポール・ヴィリリオ、『速度と政治』(平凡社)などがある。

上野俊哉(うえの・としや)
1962年生まれ。和光大学表現学部教授。主な著書に、『ディアスポラの思考』(筑摩書房)、『アーバン・トライバル・スタディーズ』(月曜社)など。訳書にポール・ギルロイ、『ブラック・アトランティック』(共訳、月曜社)などがある。

《司会》
小笠原博毅(おがさわら・ひろき)
1968年生まれ。神戸大学大学院国際文化学研究科准教授。主な著書に『サッカーの詩学と政治学』(共著、人文書院)、『よくわかるメディア・スタディーズ』(共著、ミネルヴァ書房)など。訳書にジェームス・プロクター、『スチュアート・ホール』(青土社)などがある。

☆会場…8階喫茶にて。入場料…1,000円(1ドリンクつき)
☆定員…40名
☆受付…7Fカウンターにて。電話予約承ります。
ジュンク堂書店新宿店TEL.03-5363-1300
http://www.junkudo.co.jp/newevent/evtalk-shinjyuku.html#20090626shinjuku



●sidekicknick のコンサート @ショックショクブツ(素人の乱12号店)●
6/26(fri) 
open 19:00 / start 19:30
1,500 yen w/ 1drink

sidekicknick(www.sidekicknick.com)は日本じゃまだ無名ですが 現地ニュージーランドでは大きなフェスには必ず参加してるような、大の人気者だそうです。ニュージーランドのBECKみたいな人(想像)。
そんな人を間近で見れる、またとないチャンスなのでぜひぜひ遊びにきてください。

players 出演:
sidekicknick from New Zealand www.sidekicknick.com
jusei
Anthony Guerra
Gareth Eggie
ドキドキ機械 a.k.a.Mark Sadgrove

会場:素人の乱12号店 shiroto no.12
杉並区高円寺北3-8-12 フデノビル2F奥
http://hall12.seesaa.net



明後日 6/27(土)


shoekiANDO.jpg

江戸アナーキズム&町人文化フィールドワーク@千住
「格差社会と安藤昌益」


6月27日(土)
第1部:午後1時 北千住〜下町フィールドワーク
    JR北千住駅、駅ビル3階北改札口集合
第2部:午後3時〜講演「格差社会と安藤昌益」
    石渡博明さん(安藤昌益の会事務局長)
    東京芸術センター9階第2会議室(℡5354−4388)
参加費/800円(昌益文庫1冊付)
※2次会/講演終了後、「のんべえ横丁」界隈で交流会を予定しています。

 江戸時代後期、封建社会の厳しい身分制度の世にあって、アナーキズムとも呼びうる思想を独自に生み出した稀代の思想家が存在した。安藤昌益…彼は、現在の青森県八戸市で町医者として活躍していたが、その主著である「自然真営道」において、全ての身分、階級制度を否定し、儒教や仏教をも徹底的に批判。地上の全ての存在が有機的に絡み合い一大生命体の中で農に精を出し、自然に生きる事こそが人間の本来の姿である、と説き、非暴力の徹底した平和主義を主張したのである。
 そして、長い年月、歴史の中に眠っていた昌益が再評価されるきっかけとなった場所が、「自然真営道」が発見された千住の町なのだ。
 1部では、かつて「酒合戦」などが行われ、宿場町として栄えた下町情緒の残る千住の町をフィールドワークして、江戸町人文化を堪能すると共に、 2部のシンポジュウムでは、無秩序の競争原理に飲み込まれ、格差と貧困にあえぐ現代社会…2世紀半も昔に存在した昌益の「とんでもない」思想に触れることで、現在を照射してみたい。

問い合わせ連絡先:ぺぺ長谷川(携帯)070-6671-4437/太田ノブ(携帯)090-3902-2108/E-mail:silentriver(at)wm.pdx.ne.jp




someonesgarden.jpg

SOMEONE’S GARDEN◆オープニングPARTY◆
http://www.someonesgarden.org/
6/27(Sat.) 19:00-23:0o \500(1drink込み)
SOMEONE’S GARDENオリジナルZINEシリーズ第一弾、檻之汰鷲「AFTER MAGIC」も解禁!

LIVE ACT
檻之汰鷲 :
ある時は毛むくじゃら。
ある時は毛皮の貴公子の様にマスクで顔を隠してラップを炸裂するマルチアーティスト!5月のmagic room??にも引き続いて今回はSOMEONE’S GARDENに登場です。

カムヒビKING:( http://aoyama-masaaki.com/
日本の倍音界の夜明けを駆け抜けた、青山雅明&岡山守治によって結成された、オープンチューニングギターホーメイ弾き語りデュオ。
http://aoyama-masaaki.com/
http://mono.rocket3.net/okayama/

eyllie.B:( http://mono.rocket3.net/okayama/
ボーカル、ピアノ、テルミン奏者。ポップ、ロック、ジャズ、ジャムバンド、ダンスや映像とのコラボレーション等に参加。2007年より、北インド古典声楽修練中。バーンスリー奏者 寺原太郎氏に師事。翌年より、コルカタにてUd. Jainur Abedin氏に師事。毎年インドに赴き、本国の空気と文化に触れながら、うたを学ぶ。他にもセッションLIVE予定あり?。
and more!!

場所:
SOMEONE’S GARDEN:東京都新宿区新宿2-8-10 日進ビル(03-6909-4179)
JR「新宿」駅・東口より徒歩10分/
東京メトロ丸ノ内線「新宿三丁目」駅・C8出口より徒歩3分
東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前」駅・1番出口より徒歩5分




suginamiUNDERGROUND.jpg

SUGINAMI UNDERGROUND vol.2
VINYL HUSTLERS CONVENTION

START:18:00
@雑楽器カフェ ぱちか村 東京都杉並区高円寺南4-6-7第5日東ビルB1F
DOOR: 2000円 (2Drink)
DJ: BOBO JAMES a.k.a. D.L / MAKOSSA / TOTTY / MONDAIGAI
GUEST DJ: RYUHEI THE MAN /The Man’s World Productions




明々後日 6/28(日)

「第5回・日本ロックフェスティバル」
2009年 6月28日(日)〜7月5日(日)の8日間
http://www.cinra.net/news/2009/06/09/155639.php
http://8008.teacup.com/nrf/bbs
高円寺 無力無善寺(03−3337−7735)
OPEN&START 土日:14:30 平日:18:00 (予定)
CLOSE 23:00
CHARGE 1000円+1ドリンクオーダー(500円)
☆全日観られる通し券を3000円で販売します。(限定20枚。予約受付中。)




関西クィア映画祭、東京上映
http://kansai-qff.org/2009/TOKYO/

D
6/26(金)
18:30 開場
トランスジェンダーとバイセクシュアル
* 映画「トイレのレッスン」
* 映画「何でも聞いてみよう」
(上映後にフリートークあり)
会場:MediR(高田馬場)
会費:1000円

E
6/27(土)
19:30 開場
「パレスチナではレズビアンが殺されている」にどう答えるか
〜イスラエルによる占領にも、ホモフォビア(同性関係嫌悪)にも、反対するために
* 映画「0メートルの隔たり」+トーク(ひびの まこと)
会場:MediR(高田馬場)
会費:1000円

F
6/28(日)
19:45 開場
BOTH〜インターセックスとバイセクシュアル
* 映画「BOTH」+フリートーク
会場:Latitude☆P(四谷三丁目)
会費:1000円 ※会場でドリンクなど販売








そして日曜日の22時からネットラジオ素人の乱でRLLの「かくめい生活研究所」やりますよ!
http://trio4.nobody.jp/keita/


  • Intellipunk
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  • By intellipunk / Jun 25, 2009 10:29 pm

変態同志

さなぎ2009.06.18.JPG

いい知らせの電話で夢から覚めた瞬間、眼鏡を踏みつけてしまいフレームがグニャリ。やれやれ、善いことと悪いことはたいがいセットだ。

仕方ないのピントの定まらないグニャリとした視界からアゲハ嬢のかわいらしい寝顔(眼鏡かけたらバルタン星人だったけどね)を見ていたら、急にデジャブ感に襲われる。なんか最近、大笑いしながら似たようなものを見た気がする・・・















は!






















ボスの休日スーツだ!

ボスの休日スーツ1.jpg

昆虫の変態と人間の変態はやっぱり似ている。

※ボスの休日スーツ
WTOの職員が開発した休日を過ごしながらも発展途上国の労働者を監視できる便利なスーツ。詳しくはこれを↓


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Jun 20, 2009 2:39 am

ageha嬢の変態ダンス

前回、アゲハ蝶の幼虫のことを書いたときにふと疑問に思ったのは、彼女はアゲハ蝶に変身する可能性を内に秘めているかもしれないが、少なくとも現時点ではアゲハ蝶ではない。芋虫だ。なのにアゲハ蝶の幼虫と呼ぶのはなにか間違ってはいないだろうか、ということだ。雌雄どっちがわからないのに「彼女」と呼んでいるのもおかしいがそれは愛嬌。

アゲハ蝶になるという目的のための準備期間として幼虫を捉えることは、政権を奪取するための手段として闘争運動を組織する古い左翼みたいでよくない。だから、「アゲハ蝶の幼虫」とか「アゲハ蝶のさなぎ」と呼ぶのはやめて、とりあえず「ageha嬢」と呼んでみる。卵→幼虫→さなぎ→成虫と生成変化していく完全変態の過程そのものを生きるのがageha嬢である。

前回の日記では、モンキアゲハの幼虫との判断をしたが、いや、あれはナミアゲハではないか、とマイミクrikkiさんより指摘を受けた。そのときは確かにそうだ、目玉模様のあいだの幾何学模様がモンキちゃんだ、と納得したが、今は違う。この後、いったい何に変身するかまったく予想がつかない。会田誠の作品のようにさなぎを破ってキャバ嬢が出てくるかもしれない。われわれは今、空からオタマジャクシが降ってくるような魔術的な時代を生きているのだ。

と前置きが長くなったけど、サンショウの葉がなくなるのが先か、幼虫がさなぎに変態するのが先かのギャンブルは、その日記を書いた翌日、あっさりと勝負がついた(どっちにも賭けてないけど)。あんな日記を書いたものだから、気を使った彼女はサンショウの葉を三分の二残して、さなぎへの準備を始めた。居候の身分をわきまえたいじらしさに胸がキュンときた。

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さらに一晩経つと完全にストーン状態。

2009.6.16さなぎ中.JPG

その数分後、驚くべきごとに彼女は踊りだした。ヘリコプターのノイズにあわせて身体をくゆらせ、過去の衣裳を脱ぎ捨てた。まるでストリッパーのように。



ageha嬢は今、安定期。

2009.6.16さなぎ完成.JPG

彼女のダンスが意味するものについては、ちゃんと考察する必要があるだろう。『古事記』におけるアメノウズメノミコトのストリップ・ショーから始まり、江戸時代の「おかげまいり」や「ええじゃないか」に至るまで、日本には変革期における熱狂的かつエロティックなダンスについての長き伝統があるのだ。


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Jun 18, 2009 2:27 am

東京メトロポリタンテレビジョンに感謝

Youtubeで観る未公開ドキュメンタリー映画。

「THE YESMEN」


笑いのテロリスト二人組のなりすまし芸が凄い。最近ではニューヨークタイムズの号外になりすまし、「イラク戦争終結!」とか「ブッシュ国家反逆罪で逮捕!」とかハッピーな記事をバラまいて好評でしたね。一人は大学の助教授なんだって! 冗談が通じる世界に生きたいです。

「JESUS CAMP」


子供がぶっ飛び過ぎていてすごい。大人も狂っていてやばい。冗談が通じないというレベルをはるかに超え、冗談が現実になっている世界。笑っているうちに、こんなジョークが世界を実際に動かされていたのかと思うとやはり呆れて笑ってしまう。

「SUPER HIGH ME」


実は一番楽しみにしていたんだけど、福音派の子供たちのぶっ飛び具合に比べると主人公が凡庸に見えてしまってちょっと残念。脇役で登場するマリファナ王子(!?)のほうがはるかに人物的魅力があり、彼を主役にしたらもっと面白かったのに、なんて思う。

↓他のドキュメンタリーも観られます。映画の詳細はこちら。

『松嶋×町山未公開映画を観るTV』
http://www.matsumachi.com/backnumber/index.html

司会の町山氏のキネ旬襲撃秘蔵映像もMXテレビにあった。当時、『映画秘宝』読者だったので、この事件のインパクトはかなりあった。世間的にはどーでもいい事件だけど。


冗談のような世界はゴメンだけど、やっぱ冗談が通じる世界に生きたい。


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  • By harpobucho / Jun 18, 2009 1:16 am

小悪魔なアゲハ蝶

ここ最近の悩みなき(不安多き)生活のなかで唯一悩んだことといえば、アゲハ蝶を殺すかどうか、だ。

アゲハ幼虫2009.6.12.JPG

我が家のヤヴァンガーデンを大人の香りで引き立てるサンショウの葉にアゲハの幼虫を発見したのは一週間ほど前だ。ベランダーの精神を受け継いだ自由放任野蛮スタイルなもので、放置していたらどんどん葉がなくなっていく。恐ろしいほどの食欲で植物を葉抜きにする小悪魔。しかもやたら糞がでかく、それを素敵な香りの葉の上に置いていくものだから、不快極まりない。我が家のサンショウを食卓にする居候の身であれば、糞を土に落として肥料にするくらいの最低限の仕事をしてくれなくては困る。かわいいサンショウの葉の数が減るにつれ次第に殺意が芽生えてくる。ヤヴァン・ガーデニング初の害虫認定か。

アゲハ幼虫2009.6.14.JPG

箸でつまんでポイっと外に投げれば奴はきっと死ぬだろう。アゲハの幼虫は大食いのくせに美食家で、サンショウや柑橘類しか食べないという貴族気取りで、道ベタを這っている雑草なんかには目もくれない。かといって奴のためにサンショウやミカンの木を探すほどこちとら暇ではない。サンショウの実の収穫を邪魔する害虫は排除すべきだ。どうしても生きたければ雑草を一回、食ってみな。

アゲハ幼虫2009.6.15.JPG

が! 奴を捕まえようと、観察しているうちにそのつぶらな瞳にストーンと恋に落ちてしまった。なんだかかわいいのである。新幹線200系をガチャピン仕様にしたような機関車トーマス的なかわいさ。それゃ走るためには燃料たくさんいるよね~と急に昆虫視点に世界が切り替わる。植物中心主義から生態系相対主義へ。これを園芸論的転回という。

新幹線200K.jpgのサムネール画像

最近の農ブームで田植えや畑いじりによく誘われるが、それを断り続けているわけは、農業は結局、食品を育てるのが目的であまり面白いとは思えないからだ。もちろん重要な営みトップクラスであることは間違いない。ただボクの興味が農業の「業」に興味がなく、園芸の「芸」に興味があるだけの話。ボクは園芸を「理想の生態系を作るユートピア企画」として捉えていている箱庭療法中の患者だ。

アゲハの幼虫のかわいさは、醜い故の反転したかわいさでもあるわけだが、ボクが恋に落ちたポイントは実はそこではなく、芋虫が持つ潜勢力にある。ゆっくり這うしかできない不自由なカラダからメタモルフォーゼして空を自由に駆け回れる翼を獲得するカタルシスへの賭け。食欲によって現れるその自由への狂おしい渇望はピュアな恋のように美しい。そう考えてからは、もう奴のことを奴とは呼べなくなり、彼女の美しき自由が達成できるように応援することを誓うのだった。

あくる日、朝早く目覚ましがなって起きると彼女はどこにもいない。カラスにでも食われて死んだのか? その死は非常に悲しい。食い尽くされたサンショウの葉が無駄になってしまう。彼女には、綺麗なアゲハ蝶になって飛び立って欲しかった。しかしこれも生態系のルール。諦めるしかない。

ガチャピン.jpg

そのとき彼女は葉の裏からひょっこり顔を現した。葉隠れの術かよ!
安心した。しかし心配もしている。この勢いで葉を食べ続けたら、サンショウは丸裸になり、彼女は飢え死にするだろう。「超」がつくほど偏食なので隣のセージやバジルを食べることができない。将来のアゲハ蝶にボクが言いたいのは、目先の欲望に踊らされ、消費しまくるのではなく、働きまくるのではなく(アゲハ蝶の幼虫にとって消費と労働は同じ行為である)、もっと怠けろ、ということだ。自由のために食べ続けてるわけだが、自由への道を食べつくしては元も子もない。どうか命を大事に。

サンショウの葉がなくなるのが先か、幼虫がさなぎに変態するのが先か、ギャンブルが成立しそうだ。

アゲハの幼虫について(見分け方)
http://www.h2.dion.ne.jp/~usako/ageha.html

この親切なサイトによると、ボクの前に現れる予定のレディーはモンキアゲハのはず。黒ずくめでセクシー。そして利休好みである。


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  • By harpobucho / Jun 15, 2009 6:36 pm

向上心こわい

失職して二ヶ月経つとそろそろ焦ってくる。仕事を早く見つけなければやばいんじゃないかという危機感ではなく、むしろ失業保険給付のリミットが近づいてくるという恐怖感である。「労働こわい」を落語的に解釈するならば、それは「めちゃくちゃ労働したい」であるわけで、最終的に美味しい茶にありつくためには、大好物の饅頭を怖がるようなトリッキーな策略を練るしかないのである。



今のゆとりある生活をキープしつつバビロンとの交渉事をどうまくやっていくか。優雅にまったり暮らしたいのはやまやまだが、そのライフスタイルを守るためなら闘ってもいいかな、って思う。正義のためには闘えないけど自分の生活様式のためなら仕方ないけどやるしかない。ただ戦場は日常生活そのものであるから大怪我はしなさそうだけど、それはそれで大変だ。だから多くの人は企業に自分の欲望を委託してしまう。キャリアデザインというネオリベ学問を、闘争のための地図として逆さラスタ読みできないものか。

朝起きて空を見上げてから、その日の天気や気候、気分や体調に応じて一日のスケジュールを組み立てる生活をなによりも優雅に感じている。晴れの日に会いたい友もいれば、雨の日に会いたい友のいるのだ。大好きな場所だって行きたい気分じゃないときだってあるのだ。

毎朝、いったい自分は今何を一番したいのかという欲望を真剣に見極めるのは、なかなかの大仕事である。その大仕事の達成感に満足して、せっかく計画した予定がまったくこなせなくても、それを叱る上司もいない。ノルマを立てるのも自分、それを評価するのも自分。これが労働の自律か? 給料を出すのも自分である。ノルマをしっかり達成した日にはご馳走を自分に食べさせたくなるのか、自分が食べたくなるのかよくわからないがとりあえず利害が一致するので、おいしくいただいている。

ヤヴァン・ガーデニングをベランダではじめてからは上へ上へ伸びようとする植物の向上心に学ぶことが多い。何も職探しに消極的な失業者はただ怠けたいわけではない。何もしないほど苦痛なものはないもんだ。今よりも向上したいと常に願っている。

ベルナール・スティグレールの新刊『向上心について-人間の大きくなりたいという欲望-』はその意味で大変興味深かった。残念なのは中途半端に品のある装丁。もっとシャキっとお下劣ネオリベ装丁にして、人文書コーナーではなく、書店入口付近のビジネス自己啓発書の勝間和代コーナーの横におくべき本である。帯には「借金まみれの銀行強盗からポンピドゥーセンター文化開発ディレクターまで昇りつめたフランスの気鋭の哲学者が語る向上心維持術!」なんてどうでしょ? 新評論さん。冗談です。これでは「饅頭こわい」並みの詐欺ですね。

向上心.jpg

少しフォローしとくと新評論社の「小さな講演会」シリーズは、学者や芸術家、各界のプロフェッショナルズが、彼らの知識や情熱、問題意識をやさしく子供たちに語りかけるとても良質な本です。既刊のジャン=リュック・ナンシーによる『恋愛について』も読んでみたい。ナンシーが「狂おしいほど愛する」とはどういうことなのかを子供に語ってるってのが興味津々。オルタナティヴ自己啓発書という新ジャンルに期待!


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  • By harpobucho / Jun 13, 2009 2:44 am

踊りの心情



踊る阿呆に観る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損


いつも冗談めかして云ってるダンスフロアのアナキズムのいいサンプルがYouTubeにありました。言葉以上の喜び悦楽を共有することは、いつか絶対死ぬ有限の個人にとって、この上ない幸せです。この辺りの話は、アルフォンソ・リンギス『何も共有していない者たちの共同体』と上野俊哉『アーバン・トライバル・スタディーズ』をつなげて思考しているところで。(マニフィスト:無為の/明かしえぬ/何も共有していない/無能な/者たちの到来する共同体)
共有する楽しいという情動は肯定されなければいけないね。





そういやasahi.comにアナーキズム再び、つながり求め新たな運動という記事が。

 ニューヨーク在住の批評家、高祖岩三郎氏(54)は近刊『新しいアナキズムの系譜学』(河出書房新社)で、アナーキズムの歴史を再解釈しながら、多様な運動の継続的な組織化の必要性を問うている。高祖氏に話を聞いた。

 ――なぜアナーキズムに注目するのか。

 「新左翼の崩壊した原因の一つは、階層序列による組織的な権威主義があったのではないか。新左翼がなぜうまくいかなかったかを考えていた90年代、米国でそれまでとは違う新しい運動が出てきて、若い活動家たちが漠然と自分をアナーキストと呼んでいることに気づいたのです」

 ――従来の運動との違いは。

 「アナーキズムは誰かが発明した思想ではありません。人類がもともと持っていた自律や相互扶助、直接民主主義という簡単な原理をもとにしたもの。この簡単なことが、99年のシアトル以降の反資本主義運動の決定的土台になったのです」

 ――アナーキズムは、資本主義への対抗軸になるか。

 「大きな集団を想定したものではなく、信頼できる友人や仲間との人間関係を築きながら連帯していくという行動様式が基本。そうした関係のネットワークを国家の存在とは別に、二重権力のような形で広げていく。国家を倒して反国家の秩序を打ち立てるとか、西軍と東軍が関ケ原で激突するような図式ではもう考えない。現実化しえない理想かどうかより、すでに社会の中にそれはあるのです」





この記事にひとつ指摘しとくとアナキストは「アナキズム」と自称し「アナーキズム」と表記するのはもぐり。

この高祖さんの話の前段に、橋本努が書いてるネオリベとの近似説は、『日本を変える「知」 』でもネオリベとグローバルジャスティスムーブメントの関係について誤解して書かれている。グレバー『資本主義後の世界のために 新しいアナーキズムの視座』やホロウェイ『権力を取らずに世界を変える』の世界観とリバタリアンを混同しているのは明らか。それこそ以前批判した浅羽通明『アナーキズム』で、アナキズムとミレニアリズムやニヒリリズムを混同したのと間違い方とほぼ同じ。
では何が違うか、それは情動種類としかいえないけれど、高祖さんの『新しいアナキズムの系譜学』ではエートスと書かれていたね。

では、もういちど最初の動画を観よう(とリンギスと上野の本を読みかえして)。そして音楽が世界を先取る話はジャック・アタリ『ノイズ』を読むべし! このクリエイトと協同を同源にもつ感情以前の情動部分を音楽は(そしてアナキズムは)核とする。

暴言するならその情動、リバタリアンには友人がいない、ネオリベは生権力に操られ安っぽい、いいところシャブ中だ。道徳が利己的で反クリエイト反潜勢的だから。ネオリベは「コントロールされた情動的次元」でしかない。

その不機嫌さから逃れて、音に身を漬す、複数人と笑う、飯を食う。それが自然とアフィニティ・グループ(高祖インタビューの「信頼できる友人や仲間との人間関係を築きながら連帯していくという行動様式が基本。そうした関係のネットワーク」のこと)を作っていくことが新しいアナキズムだろうな。


週末なので踊りに行きたくなった。

明日は渋谷でナイキ公園反対で踊ります。
子供を安くこき使いバカに高く売る守銭奴のナイキと排除型社会を目指す、野宿者の段ボールも掃除もしちゃうグリーンバードとか資本主義的偽エコ のシブヤ大学とかマジきもいのは、他人を出し抜くことを前提にしているからだな。




追記6/14:はてな界隈とかのアナキズム理解がめちゃくちゃダメダメなので、残念だ〜と徘徊していたら見つけました、素敵なテクスト。どうやら『テロルとクーデターの予感 ラスプーチンかく語りき2 』佐藤優/魚住昭の書評のようです。
とんま天狗は雲の上:テロルとクーデターの予感
引用:
「本書で特に高く評価するのは大杉栄だ。

 「社会契約論」を訳し日本の民主主義に先導的な役割を担った中江兆民を、天皇を意識したナショナリスト、その弟子であった幸徳秋水は中心性のないアナーキストと評価。とすれば大逆事件は本来起こるはずのない事件であり、偶発的な犯罪を弱体化し仮想敵を必要とした国家権力が起こした事件であると論じる。

 そして、幸徳秋水の系譜を継ぐ大杉栄を、国家権力という暴力装置がなくとも人間が本来有する友愛・秩序・相互扶助といった感覚で世の中は築いていこうと考えるアナーキズムAと設定する。それに対して、根底には何もない、何もかも自由であると考えるアナーキズムBの系譜がある。ニヒリズムに基礎を置くアナーキズムBは、実は新自由主義と親和性が高く、その結果、アキバ事件のような人間孤立を生み出し、それを束ねるための思想・政治形態としてのファシズムを生み出す。テロルやクーデターも同じ系譜だ。

 こう考えるととてつもない不安な時代に生きていることになるが、それに警鐘を鳴らしつつ、救いの道も示唆をしている。それが”贈与”であり、アナーキズムAである。」



佐藤優は、橋本努や浅羽通明よりも分かっているということだろうね。ここで便宜上アナーキズムAとされているものこそ『新しいアナキズムの系譜学』でエートスとして書かれている、そして高祖さんの前書『ニューヨーク烈伝』『流体都市を構築せよ!』で実践が描かれていること。そこにネオリベやテロルの親和性など微塵もない。


おもしろいことに佐藤優は、雨宮処凛さんを大杉栄の系譜に置いているようだ。

まるで太宰の桜桃忌のように、大杉栄の命日にお墓にゴスロリが集まることを、HarpoBuchoが聞きあて∞+∞=∞が雨宮さんに伝えた。そして∞+∞=∞は『COMMUNIO COFFIN』で雨宮処凛×鶴見済特別対談「自殺からアナーキズムへ」を企画した。素人の乱を含め、今の日本の「新しいアナキズムの系譜学」は、海外の流れと大杉の系譜を結節させたあたりなのは間違いない。さてどうしよう、とにかく踊るか。




新しいアナキズムの系譜.jpg


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  • By intellipunk / Jun 12, 2009 3:24 pm

古書掘りイベント「KING OF DIGGIN’」開催!

古書掘りイベント「KING OF DIGGIN’」

今週末に開催される西部古書会館@高円寺の200円、100円の均一セールにて、レア本掘りまくり、その戦利品の品定めをみんなでワイワイやろうではないかという古書復権イベント。最高の目利きに選ばれた者にはささやかな賞金あり。

日時:6月14日(日) 18時(古書会館閉館時間)
場所:西部古書会館@高円寺の前あたり
参加資格:最低300円(賭け金200円+古書代一冊100円)持参していて、13日、14日の西部古書会館で本を購入した方。品評会の飲食費も必要だから最低予算は500円くらいか。

★主催者∞+∞=∞からルール説明とメッセージ

来週土日は西部古書会館@高円寺で大均一祭!!一万冊くらいの本が陳列されて、初日の土曜日は全部200円!日曜日は全部100円!という破格の安値。これはもう掘るしかない!買うしかない!んでもって転売するしかない?!(←最近セドリの売上がついに月二桁行ったので、調子に乗ってます!!)なんといってもブック・オフの100円コーナーじゃなかなか見られない黒い本(年季が入って汚れた本)までどっさり出てくるのがうれしい!ただ買い漁るだけじゃつまんないんで、イベントにしちゃおう!ってことで、なんと、日曜日の午後6時終了後にみんなで集まって、それぞれが「これが面白い!!」って思った本を数分プレゼン。自分の本以外に投票して、勝った人にみんなで200円づつ奢るという古本バトル!「King Of Diggin’」をやることに!とりあえずRLLは全員参加します。参加したい人は当日来るか、事前に僕にメールしてね。まあ、ルールはこの会場で買った本であることと、一人1冊だけくらいなんで、気軽に参加してくださいな。ではでは、古書会館で会おう!!!

交尾.jpg

新刊書店やブックオフでは絶対見かけないヘンテコな本を掘りまくろう!
キングはいったい誰だ!?


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  • By intellipunk / Jun 09, 2009 11:34 am

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