オルタナティヴ

オルタナティブという言葉を廻っている。

一番知られているのは、ニルヴァーナがブレイクしたときの90年代の音楽シーンで使われたオルタナティブの使い方かな。

91年のSmells Like Teen Spiritの特大ヒットで、カート・コバーンは価値観の革命を起こしている。それまでの商業メタルやポップ化したロックの業界とそのルールに対して、代替的なやり方をつき通した。売るための積極的なプロモーションや各種売名行為への脱構築した態度。ステージ衣装や取材慣習や社交的態度、そして偶像崇拝をねつ造し続けるスターシステムへ、業界に拒否とともに新しいスタイルを提示した。全て芸術的感情を優先し、それを多くのグランジムーブメントの勢いとともに完逐しかけながら、彼は力尽きた。極論するなら、これらのスタイルを踏襲するのがオルタナティブ・ロックだろう。

もともとパンク以降に続いたポスト・パンク/ニューウェーブの広大なロックの脱構築後を指した言葉だった。それがアメリカンへ飛び火し、MTVとビルボードのメジャー世界の裏で、カレッジ・ラジオとZineと地元のネットワークの中でインディーシーンとして10年あまり熟成した。その一つの成果としてのニルヴァーナのブレイク、確かに音楽性ではなくその精神性とするならアメリカのパンクの表出だった。コミュニティーで繋がった音楽シーンを前提にして下から上まで、素人のファンから音楽業界のプレーヤーまでが有機的に繋がった世界観。インディーの世界からメジャーへ持ち込んだその姿勢は当時の相当な軋轢があったが、今ではそのルールも当然のようになっている。

(日本語ヒップホップにおける『MASS 対 CORE』やリアル問題、セカンド・サマー・オブ・ラブに影響されたThe Stone Rosesのジョン・スクワイアの「これからはオーディエンスの時代」発言など、同様の問題意識とルール改正がある地点で興った。「新しいアナキズム」と名指される価値観も同様の範疇を模索する。)

それそれ。時代の価値観を変えてしまうインパクトあるスタイル変革!



もうひとつ、有名な使い方は「もう一つの世界は可能だ!(Another world is possible!)」「もうたくさんだ!(iYA BASTA!)」と同じグローバル・ジャスティス・ムーブメントで使われる「オルタナティヴ」。世界社会フォーラムを紹介した『Another World Is Possible : Popular Alternatives to Globalization at the World Social Forum(邦題「もうひとつの世界は可能だ–世界社会フォーラムとグローバル化への民衆のオルタナティブ」)』でもタイトルにあるように、民衆のためのオルタナティヴ・グローバリズムを指す。そこでは、ダボス会議(世界財界会議)とG8(世界経済政府)とWTO(世界流通組織)とIMF/世界銀行(世界融資組織)の作っているメジャーの価値観への、代替価値観を提示して動いている。(そういや「もうひとつの世界は可能だ」の邦訳にはオザケンの『うさぎ!』で異議を呈されている→http://tu-ta.at.webry.info/200805/article_10.html
オルタ(結構好きな雑誌)』や『オルタナ(割と嫌いな雑誌)』の語源にもなってる。

まるで「そのやり方しかないわけないじゃん、こうじゃない世界もあるっしょ」ってオルタナティブの使い方が、カートのそれと同じである。しかもストレートな代案主義でもアンチな態度でもなく、その主流価値への見事な転倒を試みている、脱構築するアティテュードである。

どちらも新自由主義(市場価値を政治的に上位に置く経済合理主義)、消費商業主義、スペクタクル、管理と夜警、保険と私有、ベクトル階級の囲い込み、そして新保守主義に対抗する。「共有」と「友愛」と「創造」と「潜勢力」(共に固定化できない流動的で不可視で不安定な形態しかとれない価値)を人間の最大の価値として、オルタナティブは常に固定しない価値を創出する(それはデリダが差延と呼んだのに近い?)。


まとまらないが、とりあえず。
オルタナティブ・ライフスタイルは今ならどうだろう、と探しているんだ。もしオルタナティブ・ライフスタイルを具象化して目に見えるようにするなら、何なるだろうか? そこには、たくさんの文化を見つけるではないか。上野俊哉の「レイブ」に、今福龍太の「群島」に、酒井隆の「通天閣」に、平岡正明の「JAZZ」に、野田努の「デトロイト」に、いまここで再現出来ないだろうか?! 「可能なる」「明かしえぬ共同体」はどこに現れるのか?






とりあえすコレ行っときます!


TOKYOなんとか主催『なんとかフェス2009』
http://nantokafes.exblog.jp/
8月21日〜24日に長野で開催される野外イベント

8月21日(金)準備 + 前夜祭18:00ごろスタート!
8月22日(土)昼ごろから深夜まで、音楽、映像、遊戯!
8月23日(日)昼ごろから夕方まで、音楽、映像、遊戯! + 後夜祭
8月24日(月)シークレットイベント(片付け)
当日は1000円程度のカンパをお願いします!

会場 http://nantokafes.exblog.jp/10703796/
詳細 http://nantokafes.exblog.jp/10816960/


RLLとしてはー
ステンシルTシャツを出したいと思います、セルフのステンシル体験Tシャツコーナー作って。






オルタナティブ・ライフスタイルでいうと、四方田犬彦の「モロッコ」HarpoBuchoの「タンジェ」を具現化したTシャツをリリースしました。

「世界の都市」シリーズ第一弾!RLL46『タンジール』Tシャツ

こちらもよろしく。


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  • By intellipunk / Aug 13, 2009 2:11 am

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