Wearable Ideas RLL

タビー的

携帯電話を持ってない、いわんやmixiをや、なゲットースタイルの友人が、「銀座でキング・タビー級の絵画展やってるんだよ!」と興奮気味に言うので、高円寺ゲットーでお茶をして十分にリラックスした後、銀座バビロンに向かった。

かっとばされた。確かにそこには、キング・タビー級のブっとび絵画が並んでた。仕掛けているのが資生堂(「資本主義を生きる!」と書く)ってゆーバビロンな企業ってとこも気に入った。ここの文化事業部はバビロン内部からバビロンを利用しつつ、スーダラな革命を我々に仕掛けている、と感じた。無料ってのもいい。

「Passion and Action-生の芸術 アール・ブリュット」展

アール・ブリュット(Art Brut:フランス語で「生の芸術」の意)は正規の美術教育を受けていない人々が、精神的な衝動に従って創作した絵画やオブジェなどの、様々な美的所産物を指す。作品の多くは、精神病患者や幻視者などにより制作されたものだ。

街の電気技師、オズボーン・ラドックが精神的な衝動(ハーブの力も手伝って)に従って創作したダブという手法が、ジャマイカの音楽シーンを一変させただけでなく、結果的に世界中のクラブシーンに革命をもたらした。彼はキングを名乗り、王冠を被りながら、無数の音源を世に送り出した。

ダブこそが音楽におけるアール・ブリュットだ。正規の音楽教育を受けていない者のヒラメキが世界の音楽をキラメかせた。キング・タビーは、リー・ペリーなんかより実は断然、キチガイだと思う。ダブを深く聴けば聴くほどそう思う。あれが街の電気屋が作った音楽だぜ!信じられん。狂ってる。

ジミ・ヘンドリックス、キング・タビー、ラリー・レヴァン、この3人がボクの中での20世紀ポピュラー音楽の最重要人物なんだけど、キング・タビーだけ記録が少なすぎる!ジミヘンの映像はいっぱい残ってるし、最近レア映像入りのDVDが発売されたばっか。ラリーには『マエストロ』とゆー関係者のインタビューばっかの退屈なドキュメンタリー映画がある。なぜ、タビーだけ映像がないのか?ボクは動くタビーを観たことないし、インタビューも読んだことない。英国の国営放送は何をやってたのか?ボブ・マーリーよりもキング・タビーをしっかりおさえとけよ。当時、タビーの重要性を認識できる人間がいなかったのだろうか?

『トラック野郎』シリーズでお馴染みの東映を代表する映画監督に鈴木則文がいる。彼の作品に『徳川セックス禁止令 色情大名』とゆー最高傑作があるのだが、これもキング・タビー級にヤバい。

この作品はアレハンドロ・ホドロフスキーの諸作品と比較されるべきだと個人的に思っているが、ホドロフスキーはハプニング、前衛演劇あがりの生粋のアーチストであるのに比べ、鈴木則文は、プログラムピクチャーの職人監督である。しかし!鈴木の『徳川セックス禁止令 色情大名』の方が『エル・トポ』よりも『ホーリー・マウンテン』よりも『サンタ・サングレ』よりも断然アートしてるんだよお。エロと笑いが画面全体を支配していて、最高に楽しいわけだが、実は政治的にもすごくラジカルなんだ。セックス禁止とゆー荒唐無稽な設定を現代の管理社会に当てはめてみると面白い。公権力の介入が市民生活のレベルまで降りてくるのは危険だ、というメッセージを声高に唱えることなく、最高にバカバカしく描いている。この路線でボクも行きたいなあ。エロ+笑い+反権力。

キング・タビーの音楽の快楽性/政治性ってのにちょっと似ていると思う。


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  • By harpobucho / Dec 01, 2005 2:38 pm

RLL23

guerrilla grow


re-cycle!

ここ最近、RLLを立ち上げて人と知り合い、その関係で耳にする音楽ジャンルの幅が戻った。なにしろRLLクルーの3人は音楽フィールドもサブカル範囲も年代も測った様にズレていて、それが刺激になってるんだ。


「Radical」名乗る僕は一番保守的なのかもしれない[rock'n'roll]を指向、「Left」こと∞+∞=∞君はレイバーで[Techno]を至高、「Laughter」なハーポ部長は黒人趣味で[Reggae]を嗜好している。そしてその間にある音、例えば [electro/DUB/hiphop/House/R&B]といったダンスミュージックや [jam/Funk/Soul/Jazz/Blues/Ethnic]ってな生ものを絶えずBGMに僕らは語らう。Tシャツ販売に呼ばれたイベントもハウスからトランスからレゲエからロックからノイズまで幅広くって雑多だ。

実は僕は2001年以降は、自分が拡散することを避けるべく、そして苛烈な日常の摩擦に対応すべく、音楽を購入して聴くことをロックンロォルに制限してきた。

持ってたフロアモノや日本のhiphopや映画のサントラも売っぱらってストロークス以降のロックンロール・リバイバルに身を任せた。この起源と前線がはっきりしていて、既に衰退しかけている一音楽ジャンルに固執することが、相対的にスリルがないことはわかっている。

けど日々トップランナーがかわるフロアシーンや過去を掘り続けるDig環境に嫌気がさしたこともあるし、なによりロックとロールが共犯関係になった営みとグルーヴは他の音には替えられない。そして淡々としたバックビートとギシギシしたディストーションが同居するこの座り心地は、僕自身の生活のリズムを裏打ちしている。

過日、「抵抗的re-cycle!!」という∞君の発想を具現化すべくRLL主催の第一回目の探検隊がリサイクルショップの餌箱漁りをした。収穫は上々で詳細は∞+∞=∞君の日記(http://mixi.jp/view_diary.pl?id=52702930&owner_id=194631)にアップしている。

アイドル歌謡曲や映画のサントラ、歌謡ロックにニューミュージック、アニメに演歌、ハードロックにメタル、環境音楽にフュージョン、ビルボードポップスにディスコ、テクノポップにラテンと節操ない中身(けれどクラシックやジャズやインディーズ物が皆無!)だったけれど、案の定僕は保守的に自分のフィールドを守ったに過ぎなかった。でもまぁそれが他の参加者との差異としてキャラ立ちして面白い、みんな80’s小林克也ベストヒットUSAやナイアガラポップだったし。

狙っていたNW物が惨敗して結果的にオールドウェイブに溺れてしまったけれど、大ネタばかりなんで解説渋谷陽一伊藤政則な盤の価値は決してhiphop時代に落ちてなんかいないだろう。プリンスを押さえたんで他の人の収穫に橋渡ししてみるつもりだけど、大方の耳にはギターの音が違和感あるんだろな…

というわけで、12月10日(土)早稲田のあかねで「抵抗的re-cycle!!」収穫DJイベントが開催される!(時間等詳細は逐って書きます)

RLLクルー揃ってのDJは始めてだし、DJマコッサやタカオカ君のプレイはかなり楽しみ。つうかアナログ久しぶりだから大丈夫かオレ。皆さんオールジャンルでもこんないいかげんな掘り出し物だけのイベント無いよ!


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  • By intellipunk / Nov 26, 2005 12:30 pm

RLL22

remember Seattle 1999


スーダラスタ宣言

スーダラスタ.jpg


スーダラスタは、レゲエをこよなく愛すが、ラスタファリズムを支持しない。ハイレ・セラシエは、とんでもない反動野郎であり、そもそもなんでエチオピアの国王を日本人である我々が崇拝しなければいけないのか。「ああ、諸君、人の人生のなんと短いことか!どうせ生きるなら、王を踏みつけて生きよう。」(シェイクスピア『ヘンリー四世』より)
我々が崇拝するのは、平均(たいらひとし)である。彼こそが我々のジャーである。「だれかを崇拝しすぎると、ほんとうの自由は、得られないんだよ。」(スナフキン『ムーミン谷の仲間たち』より)
でも平均は人間ではない。植木等が演じる表象であり、我々の希望が具象化されたスクリーンの中の光影だ。


スーダラスタは状況主義者である。バビロン=スペクタクル社会(会社)の内部から、スーダラに抵抗する。天性の不真面目さを持って、ゴマをすり、ホラを吹き、ペルークをし、ときには労働を拒否し、遊びながら、新たな状況を構築する。スイスイスーダラスタ、スラスラスイスイスーイと下流社会を成り行きまかせに水平にデリーヴしてみせるが、けっしてそれは受動的態度ではない。あくまで能動的に、だ。映画『ロッカーズ』を見よ、貧乏なくせに余裕感たっぷりの似非ラスタたちが街をギラギラと漂流しているだろう。「オレは歩くカミソリだぜ。近づくと危ないぜ」(ピーター・トッシュ『Stepping Razor』より)
スーダラスタは、街の似非ラスタ=ルードボーイの根拠なき楽勝感を愛する。江原啓之もまだ指摘していないが、平均は、ウェイリング・ウェイラーズ時代のボブ・マーリーにオーラが似ている。


スーダラスタは、ラスタファリズムの転用である。ラスタファリズムはキリスト教の転用である。だからスーダラスタはキリスト教の転用の転用である。グルグルである。またスーダラスタは、仏教の転用である。「分かっちゃいるけど、やめられない」とは浄土真宗の教えである。我々は煩悩具足の凡夫/梵夫(ぼんぶ)なのだ。さらにスーダラスタは、ヒンドゥー教の転用である。「スーダラ」とはサンスクリット語の「シュードラ」、つまりカースト制度の最下層からの革命的転用である。このように既存宗教のおいしいとことだけを剽窃し、自分だけの新しいスーダラ・スピリチュアリズムをつくりだせ。そして誰とも共有せず、自分の心の中でこっそり育てよ。


スーダラスタは、スチャラカンナビストである。「スチャラカ」と「スーダラ」の相性は抜群だ。ラジカル・ガジベリビンバ・システムの宮沢章男によって、この言葉は「スチャダラ」に合成され、3人組のヒップホップクルーによって世に広められた。ラスタがカンナビスを求めるように「スーダラ」は「スチャラカ」を求めるのだ。よって、スーダラスタは、ジャーのガイダンスに従って、ガン・ジャーをスチャラカに肯定し、吸うダラに実践する。ジャー(Jah)の頭文字で繋がるジャパンとジャマイカは、同じ神の草を共有するわけだが、ジャーとはあくまで平均であり、決して皇帝や天皇ではない。


我々のジャー、平均には二人の父がいる。青島幸男と植木徹誠だ。「スーダラ」のコンセプト・メーカー青島幸男の功績は都知事になった瞬間、崩れ落ちたが、植木等の実父、植木徹誠の影響力は、スーダラスタ思想に深く根付いている。若い頃はプロの義太夫語りを目指した蕩児であり、やがて大正デモクラシーの影響でキリスト教の洗礼を受け、社会主義者として労働運動に参加したかと思いきや、一転して僧侶になって部落解放運動に尽力した人物。同様にスーダラスタ思想は、「主義」に縛られない。重要なのは常に現実社会の出来事だからだ。それに対応するためなら、いかなる「主義」をも利用する。原理主義以外なら。スーダラスタ主義というものがあるとすれば、それは原理主義の対極にある。スーダラスタは、潔癖な理論家ではなく、しなやかな実践家である。


スーダラスタの教えで大事なことは、タイミング(JAH GUIDANCE!)にC調(POSITIVE VIBRATION!)に無責任(EVERYTHING’S GONA BE ALRIGHT!)。


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  • By harpobucho / Nov 23, 2005 2:45 pm

スーダラスタ節

スーダラスタ節
(C.J.ハーポ作詞・萩原哲晶作曲)

ちょいと一服のつもりでキメて
いつの間にやらマンチー状態
気がつきゃクラブのソファーでストーン
これじゃ世間にいいわきゃないさ
分かっちゃいるけどやめられない
あソレ
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
スーラスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スーダラスタ吸いー吸いっと

狙った収穫見事に外れ
頭カッときてアムスに直行
気がつきゃ財布はスッカラカンのカーラカラ
梵好きで金持ってる奴ぁないさ
分かっちゃいるけどやめられない
あソレ
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
スーラスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スーダラスタ吸いー吸いっと

一目見た娘にたちまち惚れて
よせばいいのにすぐ刈り取って
捕まえたつもりが逆に捕まった
俺がそんな量持てる訳ぁないさ
分かっちゃいるけどやめられない
あソレ
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
スーラスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スラスラ吸い吸い吸い
吸い吸いスーダラスタ スーダラスタ吸いー吸い


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  • By harpobucho / Nov 23, 2005 2:41 pm

“JUZU” @MaZEL 六本木

下記のイベントで急遽RLLのTシャツ販売!こだまさんと共演だ!Tシャツ買ってくれないかなあ〜

“JUZU” @MaZEL 六本木

open/start 22:00
DOOR:¥3500,ADV:¥3500+JUZUオリジナルTシャツ

【DJ】
●JUZU a.k.a MOOCHY(NXS)
●HIKARU(BLAST HEAD)

【LIVE】
●DJ HIDE
●KODAMA AND DUB STATION BAND
●SUARA SANA
●TRIAL PRODUCTION
●SAIDRUM
●fragment

★MAIN FLOORでオリジナルセッションLIVE!!!★
・DJ HIDE×こだま和文
・KODAMA AND DUB STATION BAND×SUARA SANA
・SUARA SANA×TRIAL PRODUCTION
・TRIAL PRODUCTION×SAIDUM

初の試み、LIVEからLIVEを「JUZU」繋!!!
DANCE FLOORでは
JUZU a.k.aMOOCHY,HIKARUの強力タッグで
最高に楽しい一夜になる事必至だ。

更に、当日セッションLIVE CD(映像収録)発売決定!!!
新たな歴史の目撃者になれ!!!

http://club-mazel.com/pc/infomation/access.php

http://www.clubberia.com/eflyer/20051122mazel/index.html
(問) MaZEL 03-5785-1585
東京都港区六本木7−15−30 TSKビルB1F


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  • By intellipunk / Nov 20, 2005 1:06 am

芝浜ロッカーズ

立川志らく落語会、面白かった!「死神」と「芝浜」というキラーチューンにやられた!特に「芝浜」はいいね~。寒い時期の話なんだが、ボクの頭の中ではなぜか暖かいイメージ。登場人物はちょんまげじゃなくて、ドレッドロックスだ。落語ってのは、受け手が妄想で遊ぶ娯楽だ。たとえばこんな感じ。


ンチャ!ンチャ!ンチャ!と裏打ちの出囃子。


キングストンのゲットーに住むドラマーのホースマウス。

腕はいいし人間も悪くないが、ガンジャ狂いで怠け者。

金が入ると片っ端から質入して梵をキメ、仕事もろくにしないから、年中裏店住まいで店賃(たなちん)もずっと滞っているありさま。

今年も師走で、年越しも近いというのに、ホースマウス、相変わらず仕事を十日も休み、ガンジャを吸って食って寝てばかり。

女房の方は今まで我慢に我慢を重ねていたが、さすがにいても立ってもいられなくなり、真夜中に亭主をたたき起こして、このままじゃ年も越せないからスタジオに行ってドラムを叩いてくれとせっつく。

亭主はぶつくさ言って嫌がるが、やり手プロデューサー、ジョー・ギブスに頼み込み、仕事をブッキングするという用意のよさだから文句も言えず、しぶしぶドラムスティックを担ぎ、追い出されるように出かける。

外に出てみると、まだ夜は明けていない。

カカアの奴、時間を間違えて早く起こしゃあがったらしい、ええいめえましいと、ホースマウスはしかたなく、鍵の開いていたスタジオに入り、時間をつぶすことにする。

薄暗いスタジオでぼんやりとガンジャをふかし、便所で糞を垂れる。

手を洗おうと洗面台に手を入れようとした瞬間、白い粉があたり一面に落ちていることに気付く。

上を見上げると、ボロボロのアタッシュケースがあり、指で中をさぐると白い粉の入った袋が何十個も。

コカインだ。これを売り捌けばだいたい四十二両。

さあ、こうなると、太鼓叩きどころではない。

当分は遊んで暮らせると、家にとって返し、あっけにとられる女房の尻をたたいて、極上のガンジャ「Shiva」を買ってこさせ、グレゴリーや、スライや、ロビーや、ダーティー・ハリーや、食いしん坊のジェイコブ・ミラーやら、そこら辺のゴロツキをたくさん集めて、特大サウンドシステムでダンス・パーティ。そのまま酔いつぶれて寝てしまう。

不意に女房が起こすので目を覚ますと、年を越せないからスタジオに行ってくれと言う。

金の卵、コカインあるじゃねえかとしかると、どこにコカインなんかある、おまえさん夢でも見てたんだよ、と、思いがけない言葉。

聞いてみるとずっと寝ていて、昼ごろ突然起きだし、友達を呼んでドンチャン騒ぎをした挙げ句、また酔いつぶれて寝てしまったという。

コカインを拾ったのは夢、大騒ぎは現実というから念がいっている。

今度はさすがにホースマウスも自分が情けなくなり、今日からガンジャはきっぱりやめて仕事に精を出すと、女房に誓う。

それから3年。

すっかり改心して商売に励んだホースマウス。ドラマーの仕事だけじゃ食っていけないと安いバイク一台で始めたレコードの流通業が大当たり。

得意先もつき、金もたまって、今は小さいながらスタジオも構えている。

大晦日、片付けも全部済まして夫婦水入らずという時、女房が見てもらいたいものがあると出したのは紛れもない、あの時のコカイン。

実は亭主が寝た後、思い余って丘の上に住むラスタの賢者、アシュレー・ハイヤー・ハリスに相談に行くと、スタジオから盗んだコカインなど売り捌けば、すぐ足がつき、ジョーが雇っているマフィアに命を狙われる。あと3年もすればダンスホールという新しいジャンルの音楽が流行るので、そのときにコカインは、もっと高い値で捌ける。それまで、どこかに隠しておけ。そして亭主には、とりあえず夢だったの一点張りにしておけという忠告。さすが預言者だ。

おまえさんが好きなガンジャもやめて懸命に働くのを見るにつけ、辛くて申し訳なくて、陰で手を合わせていたと泣く女房。

ついでにおまえさんがバリバリ働けたのは、わたしが塩と間違えて、隠したつもりのコカインを毎日、料理の中に混入させていたためと告白。とんだ粗忽者だ。

「とんでもねえ。おめえが夢にしてくれなかったら、今ごろ、おれの命はなかったかもしれねえし、塩とコカインを間違えてくれなければ、こんなに働き者になれなかった。手を合わせるのはこっちの方だ」

もうおまえさんも大丈夫だからコカインを売り捌いておくれ、そして大好きなガンジャを毎日吸っておくれ、と女房。

ホースマウスは、突然コカインの袋を破き、窓から空高く、投げ捨てた。コカインは雪のように空を舞う。

「日本の大晦日の風景みたいだな。雪見ガンジャとシャレこもうか」

おまえさん、コカインで大儲けするんじゃなかったのかい?

「よそう。……夢心地から醒めるといけねえ」

バビロンビジネスとはおさらばだ。毎日、気持ちよくジャーのガイダンスに従って、自由に楽しく生きていくラスタ。

ガンジャの煙を勢いよく吸い込み、一言。

「やっぱShiva、ウマー!」

※Shiva
●インドア専用
●インディカ
●多いクリスタル
●大きいバッズ
●低い躯体
●アフガンと似た香り
●開花まで8週間
●メローなハイ
●インドア
●小さな温室にお勧め



DJ寄席評

マルボロ内親王が「平岡正明のDJ寄席」の感想を日記で書いてくれました。ありがとう!


平岡さんの話はパッケージされていない、というかされえない。これは本質の問題です。企画者ハーポ部長は、「寄席」の公式の責任者でもありまたパブリシティー上の都合もあるからトピックやタイムテーブルを設定し、それなりの方向付けを試みていたみたいですが(「猛獣使い」と自称していました)、そういったパッケージ的な期待という点では、ほぼ裏切られていたんじゃないんでしょうか、「DJ寄席」?いや、それでいいんです。

平岡さんの語りを形容する言葉なりイメージなりを自分なりに探しましたが、とりあえずいま思いつくのはひとつ、安直だけれど、星座。「宝石箱を撒き散らしたような夜空」なんて表現がありますが、これは同時に平岡さんを形容する表現でもある。まき散らされた星々は、それ自体はもちろん星座ではありません。星座なんてのはその時々の感傷が空に投影されたものであり他にどのようなものでもありえますし同じ星の組み合わせでも名前はどうにでもつけられる。つまりそういうことなんです。

平岡さんの二つの源泉、記憶力と妄想力。それらはもちろん絡み合ってはいますが、さしあたり記憶力が宝石をまき散らし、妄想力がその時々の感興に乗って星座を描き出す、と言ってみます。そしてそれらはシャワーです。星空は、理科の資料集みたいに星座の輪郭だけで構成されているのではなく、まずはシャワーとして、撒き散らされた宝石の錯乱として全身に降り掛かって五感を震撼させ、その震撼からおずおずと星座が浮かび上がってくる。とはいえ平岡正明の星座はおずおずなんてしていないけど。

原初には火だか水だかわからないがとにかく混沌があり、そこから光と闇が分かれ大地と空が分かれ昼と夜が分かれつまり星空の領分が生まれます。とすると平岡正明は、さしずめ毎回混沌から始める、毎度生まれ直す宇宙と言ったところか。その度にぼくらは宇宙の生誕を目撃しまた散らばった宝石の錯乱からそのつどの星座の浮かび上がるのをみる。イメージばかりで書いていますが、しかし平岡正明の照準先を考えるならば、これらのイメージは幾らか正当なのだ。というのも平岡さんは、まぎれもなく原初に宇宙を産出したであろうあの混沌からエネルギーを得、そしてまた星座を通してまさにその地点をこそ名指そうとしているからです。

さしあたりは大地だ。それが平岡さんを黒人的なものへと結びつけます。とりわけジャズ。ジャズにうとい僕は平岡さんがジャズの名において浮かび上がらせる一くさりの星座をちゃんと把握できはしませんが、しかしその星座がなにを希求しているのかはわかる。つまり原初の混沌。それは過去へと回帰してきえてなくなることを願っているのではけっしてありません。つまりジャズの名のもとに浮かび上がるひとつの星座の配置が、そのままあの混沌を直接に指し示す形象となっている。いやはや、それはあまりに直接なので、その配置そのものを混沌と呼んでしまうそんな粗忽者がいたっておかしくはないのだ。

しかもひとつの星座はけっしてまとまりをもった完成体ではありません。平岡正明の星座はクラインのつぼのように、その線をなぞっているうちにいつの間にやら別の星座の中に入り込んでいる。たとえば下町は深川遊郭の世界。「DJ寄席」第一回のオープニングはジャズ揺籃の地ニューオリオンズに襲来したハリケーンカトリーナをめぐるブルースから、海抜0メートルという位相空間を通って直接深川へと僕らを導いていったのでした。ここにはすでに二つにして同時に一つである奇妙な星座が浮かび上がっているのですが、驚くべきことにこのアマルガム的星座は単にジャズにおいて見られた星座よりも、その輪郭をもってさらにいっそう紛れもなくあの混沌を直接に指し示している。いったいどんな魔法が?

もちろんこれは始まりにすぎなかった。たとえばそれら水辺は、ビリー・ホリデイの”I cover the water front”から横浜のウォータフロントへもつながり、その先には山口百恵の菩薩姿が屹立する。そのわきでは座興のように水戸街道甲州街道中山道東海道といった主要街道に遊郭を構えさせる徳川幕府の狡智なんかがほの見えたり黄河と揚子江の中間に居を構える水滸伝梁山泊の姿がほの見える。それらいっそう錯雑とした星座は、相も変わらず驚くことによりいっそうと混沌の輪郭をぴったりと配置している。こりゃ狂っている。

絶えずより錯雑と増殖しつづけその度にぴったりとあの混沌を名指してしまう奇妙な星座群。こんなものはどう考えても手のひらに乗っかるものではなく、せいぜいシャワーとして享楽するしかない。平岡正明の言葉は絶対的マルチメディアなのだ。たしかに踊ってみせてもくれる。歌ってみせてもくれる。口でラッパだって吹いてくれる。しかしそういうマルチメディアじゃないのだ。平岡正明のマルチメディアはあの星座群でありまたその狂気である。その前では視覚も聴覚も消え失せて、つまり星座の蠢きのみ。それが人間の不可触な根源にとどくから、その残響がぼくらの実際の五感を震撼させる。

そんな平岡さんとハーポ部長の組み合わせというのがやはり面白い。ハーポ部長は文字通りのマルチメディア人間。実際のコンテンツならず「感覚比率」をもジョッキーしてさらには混ぜ合わせて、アドホックなマルチメディアを作っていくコンセプトメーカーです。今回の企画ではそういった点で、二種類のマルチメディアの不可能な出会いとしてロマンティックに語ったりもできるかも。ハーポ部長はハーポ部長で、自身のマルチメディア実践に沿った形での「寄席」というものを明らかに構想していて、たぶん音楽流しながら映像流しながらそこに触発されていわば撒き散らされる宝石群を軽やかにジョッキーしちゃいたい、みたいな野望があったんじゃないでしょうか。最後の部分は分からないが、その前の部分までは間違いないと思う。しかしマルチメディアはもろもろのモノメディアをジョッキーするのであって、平岡正明はもとから異様なマルチメディアであった。そして結論から言ってしまうと、やっぱり平岡正明のマルチメディアがハーポ部長のマルチメディアを飲み込んでしまったっていう感はありますね、正直。しょうがないよ、あの宇宙にはどでかい金玉がついてるんだから。

だらだらと書いちゃうんなあ。きりつけないと。

平岡正明には宿命がある、と僕は決めつける。パッケージにならない平岡さんは痕跡を残さない。いやもちろんそれぞれの星座誕生の立会人であるぼくらのもとには残る。しかしやはりそれでも残らない。だってよ、平岡さんの語りの中ではあの奇妙な星座はその配置そのままで混沌を指し示しちゃうんだもの。そして平岡さんは毎度新たに原初の混沌から開始する。ということはつまり、宝石箱を撒き散らしたあと、平岡正明は丁寧にその混沌をもって帰るのだ。だから毎度あらたに、南京玉すだれを広げてみせる香具師のように、狂った星座群をもって混沌を描き出すことができる。そして束の間魅了されたぼくらは、混沌をもはや指し示さない星座の輪郭だけを胸に残される。高速の巻き戻しを見ているかのように、宝石たちは宝石箱のもとへと帰っていき、そして平岡正明はニヤニヤと帰路へつく。

だから平岡正明には宿命があるのだ。つまりそこには思想的嫡子が生まれえない。あれら宝石どもの狂乱はサーカスの喧噪であり、誰のものにもならない。そしてそのこと自体が平岡正明という資格を形作る。サーカスには嫡子はいない。せいぜいその喧噪をくすねる私生児があるばかりだ。そう、だから僕はいまこうやって平岡正明について勝手なことを書いているというわけなんです。つまり平岡さんの星座群からなにがしかを盗んで、こっそり自分なりの星座を形作る。それは僕の中に生まれたある小さな存在の出生証書となる。そいつは平岡正明の私生児なのだ。ついにはあの騒がしい宝石箱から宝石が飛び出し束の間の星座を描き出すことがなくなってそれ自体がひとつの墓標と化してしまうとき、そこで残りうるのはぼくらがそれぞれくすねて作り上げたちっぽけな私生児的星座群だけなのだから、こうやって必死に自分のどこかに跡を残そうとしているのです。そうしてそれら残された平岡宇宙の跡形のない星座群が、まったく似ても似つかぬ別物であるのに、平岡さんの星座群が原初の混沌をそのままに指し示していたように、ぼくらの知らぬところでぼくらの星座群が、平岡正明という存在を直接に指し示す狂った星座を形作るかもしれないと夢想することくらいは許されてもいいんじゃないでしょうか?


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Nov 06, 2005 3:03 pm

抵抗的re-cycle!!

CDが高い!!クソ高い!!レコードが高い!!あまりにも高い!!でかくてがっぽり儲けているイベントほどチケット代が高い!!セキュリティが無駄に厳しい!!水を500円で売るな!!カレーが千円なんてふざけてる!!全部半額にしろ!!レイブやフェスに行く交通費が高い!!なんで気持ちよく音楽を聴くためにこんなに金がかかるのか?ありえない!!ぼったくるな!!利益が出たら全部寄付金にしろ!!音楽業界はしこたま儲けているというのに、消費者やDJという消費的生産者にはそれがまったく還元されない。それどころか、音楽を作ったヤツの取り分が減るからという大嘘をぶちかまして、CCCDなどというふざけたCDを売りつけようとしている。製作者の権利を盾にますますぼったくろうとしている!!なのに「のまネコ」は堂々とぱくってがっぽり儲けやがって!!クソAVEXが!!ふざけるな!!消費者あってのシーンだろうが!!お前らがのまネコをパクるなら、オレ達はお前らの著作権を無断で使用する!!著作権で音楽を囲い込むな!!著作権でがっぽりもうけるための口実に自由や権利、創造という概念を使うな!!
re-cycle!!におけるルール。(仮)

★re-cycle!!においてプレイするDJは、その80パーセント以上を、リサイクルショップで購入された300円以下の中古レコードでプレイしなければならない。また、re-cycle!!ではCDやHDといったアナログレコード以外の音源の使用を禁止する。

★かける楽曲の80パーセント以上は90年代以前の音楽でなければならない。また、同年代、同ジャンルのレコードだけで繋ぐのではなく、常に10年以上の落差と異なったジャンルを繋ぐプレイをすることが望ましい。

★1年以内にre-cycle!!DJ陣選曲による、コンピレーションCDを出す。re-cycle!!の成果は全てこのCDに表現されるだろう。




 第一回買出しとして、11月6日、午後2時に西武池袋線清瀬駅に集合して、そこからタクシーでリサイクルショップにレコードを買いに行きます。ちなみに在庫は1万枚以上あって値段はLP50円、8インチ10円というバカ安い値段です。参加希望者は僕までメールをください!!イベントの日程はまだ未定ですが11月末か12月最初に早稲田あかねで開催予定!!

現在の買出し参加予定DJ

DJ ハーポ部長、インテリパンク、∞、マコッサ、シェンシェイ、オッキー  他にも募集中!!どんどん参加してねー

ってことで音楽の生産、流通という既存の体制に抵抗するためにリサイクルショップで購入した音源だけでを使ってプレイするイベントを始めます!!


  • Action
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  • By intellipunk / Nov 06, 2005 12:53 pm

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