Wearable Ideas RLL
サウンドデモ、あるいは路上を巡る祝祭空間としての政治史。
ダンシング イン ザ ストリート サウンドデモだよ路上開放!!
路上に溢れる強烈なビート、人、人、楽器、
旗、笑顔、叫び声。それを取り囲む機動隊、
公安警察、逮捕、弾圧。
ここ数年全国の至る所で増えてきたサウンド
デモの主催者・関係者を集め貴重な映像やト
ークが爆発する!
2月26日(火) 新宿Naked Loft
【司会】間宮賢(RLL)
【Guest】ランキン・タクシー/松本哉(素人の乱)/毛利嘉孝(東京藝術大学准教授)/小田マサノリ(イルコモンズ)
二木信(ライター)/DJラマダーン/他
OPEN18:30/START19:30
前売/当日¥1,000(+1drinkから)
明日夜にネイキッドロフトでサウンドデモのイベントやりまーす!!(詳細は一番下に!)2年前に利賀村の演劇祭、利賀サマーアーツプログラム2006でRLL名義でサウンドデモについてまとめて発表した時の文章を転載します。下の表もそのときに作ったんだけど、大分付け足しました。今回のイベント当日でも使う予定です。
「サウンドデモ、あるいは路上を巡る祝祭空間としての政治史。」
ドゥルーズ、ガタリは「ミル・プラトー」のリトルネロという章で、こう、書いている。幼子が暗闇に一人。何も見えないし、何も触れる物もなく、ただ、おびえている。だけど、ちっぽけなメロディを口ずさめばどうだろう?小さな口から零れ落ちるつたない反復の切れ端が、彼を包み込み、やがてそれは彼の足取りをステップに変え、カオスに一筋のラインを描き出していく。最初はおぼろげだった軌跡がやがてはっきりと暗闇の中に浮き立ち、ラインを描き、そのラインに沿っていく子どもは、いつの間にか安定した秩序を生み出し、調子が上がればそれを変奏したり、アレンジしていくことだってできる。もちろん、時に大きすぎる音のバリヤーは他人のリズムを邪魔したり、破壊したりしてしまうこともあるし、ファシズムが必要とした音楽のように、単一のリズムを他人に強制することも可能だ。リトルネロにはそういった「力」や「効果」があり、それは心臓の鼓動や脳波、月の周期に合わせた生理のように、バイオリズムに貫かれた身体の絡まりあう環境へのアンサンブルに加えられた新しい一筋の要素なのだ。
サウンドデモはいくつものリトルネロが絡まりあっている。
その時々のテーマや主張、集まってくる人びと。主催者の意志。デモ隊を取り巻く公安警察や機動隊、そして移り変わっていく街並みやそこを行く人々の視線。デモ隊の中の人間も歩きつつその位置を変えるし、歩道に出たり立ち止まったりする。途中でコンビニに入ってジュースやお酒を買ってくる人だっているし、そのまま帰ってしまう人、よく分からないけどデモに吸い寄せられるように入ってくる人もいる。そして、そういった様々な人や風景やその絡まりあった流れの中を、音楽が包み込んでいる。サウンドデモにはいくつものリスクやコスト、秩序やカオスが流れていて、その流れの中で人びとは不安に浮き立ち、時に音楽に乗り、高揚し、鬨の声を上げる。いくつものリスクやコストというのはDJや責任者の逮捕や運動の失敗に絡んでいて、それは気まぐれな天候や公安の弾圧や、機材トラブル、DJのスキルや観客の動員数、集まるカンパの総額、当日の街の様子まで、ほとんど関数として予想できないものばかりだ。
だから、サウンドデモは非常にフレキシブルで多様な要素が絡み合い、普通の音楽イベントに比べれば比較にならないほど危険で、それに見合った現実的な利益の無いイベントなのだ。チケットを売っているわけではないから現金収入はゼロで、カンパを集めても赤字ということがほとんど。誰かが逮捕されればかなりの金額の弁護士費用や、無料で動いてもらえる大量のボランティアスタッフが必要になる。誰が逮捕されるかなんて逮捕されるまでわからないし、その罪状も同じことだ。(DJが道路交通法違反で逮捕されたこともあった。普通なら切符を切られてすむはずなのに。)つまり、誰が、どれくらいブタ箱にぶち込まれるかさえよくわからないってことだ。
だけど、下の表を見てもらえればわかるように、こんな一文の得にもならないことのために様々な場所で、様々な人たちが苦労してサウンドデモを行ってきたし、今も準備している。何人も逮捕者が出てもサウンドデモは無くならない。なぜだろう?どこかのくだらないカード会社の宣伝文句ではないけれど、一言で言わせてもらえば路上で爆音を出して公道をダンスフロアーにしてしまうことや、そこで狂ったように踊ることは、まさに「プライスレス」な心地よさだからだと思う。(このデモの監視や規制のために機動隊や公安警察が使う人件費=税金もかなりなお値段、プライスレスなのだけれど)フェリックス・ガタリはこう言っている。「秩序や制度はカオスを排除したり、コントロールするためにあるのではない。より強くカオスに触れるためだ」と。サウンドデモはまさしく、より強くカオスに触れるために、それと共に踊るために、僕たちが複数の要素や環境の中に、音楽というリトルネロのバリヤーを絡めてかき混ぜる実験の場なのだ。
本邦サウンドデモ略史
94~99 東京「東京レズビアン・ゲイ・パレード」主催はILGA日本。だんだん参加者が増えたが96年に主催団体が分裂。後に先細り、実質的に消滅した。
2000~ 東京 渋谷「東京レズビアン&ゲイパレード2000」が行われる。主催はTLGP
2001~
01年6月26日 早稲田「地下部室撤去反対闘争RAVE」
01年7月31日 早稲田「地下部室撤去反対闘争RAVE・SECOND IMPACT」
01年9月23日 東京 渋谷「CHANCE!ピースウォーク」東京の小林一朗という男性が「報復戦争に反対する動きを起こしませんか」と呼びかけた一通のメールからインターネット上で人が集まり、メーリングリストが作られた。 第一回目の「ピースウォーク」は9月23日に渋谷の代々木公園~渋谷駅前~原宿というコースで行われ、約300人が参加した。
2002~ 02、03年は東京レズビアン&ゲイパレードは行われなかった。秋にはブッシュがイラク攻撃を示唆し、10月始めにCHANCE!はイラク攻撃反対のピースウォークを始めて開催する。さらにこの戦争は世界の環境や人権にも被害を及ぼすため、アムネスティ、オックスファム、グリーンピースといったNGOも実行委員会へ加わっていく。10月末に渋谷の宮下公園に約700人集まり、翌03年1月には日比谷公園へ7千人、3月には4~5万人が集まる。
2003~ 03年~04年は渋谷において反戦サウンドデモが盛り上がる!!それが大阪、京都、名古屋へ飛び火していく。
03年5月10日 渋谷「STREET RAVE AGEINST WAR」
03年5月30日 渋谷「有事法粉砕 STREET PARTY TO DEMONSTRATION」
03年7月19日 渋谷「PARTY AND PROTEST/ANARCHY,PEACE,FREE!DUMB」
03年8月3日 大阪「ぐるぐる道頓堀」
03年10月5日 渋谷「SET BUSH FIRE/STREET PIRTY+DEMONSTRATION」
03年10月19日 京都「解放どすえ」
2004~
04年1月24日 渋谷「PARTY+PROTEST!!IRGENT ACTION AGAINST SDF DISPATCH TO IRAQ!」
04年5月8日 大阪「アメ村右往左往」
04年6月6日 名古屋 デモンストレーション/ストリートパーティー in 名古屋
04年6月13日 新宿「輸入盤CD規制反対大暴動in新宿」
04年9月19日 京都「反戦ミュージック2004」
04年11月14日 西荻~阿佐ヶ谷「KNOCK OUR SECURUTY!! GRAFFITY AGAINST CONTROL!!!」
04年11月23日 大阪城公園~京橋「早起き大阪城 ~基地いらん! 戦争あかん! 11.23.関西のつどい~」
2005~ 渋谷を中心とした反戦サウンドデモが終わり、反戦という主題も含みつつ、格差社会、反グローバリゼーションの拡大を背景に、貧乏人やらマイノリティがそれぞれの主張を打ち出したユニークなサウンドデモが増えていく。
05年5月1日 渋谷「RECRAIM THE STREETS! MAYDAY2005DEMONSTRATION」
05年8月13日 渋谷「ゲイ・パレードTLGP2005」3年ぶりに復活。以降毎年行われる。
05年8月20日 高円寺~中野「放置自転車撤去反対!オレの自転車を返せデモ!!」
05年9月11日 京都「反戦ミュージック2005」
2006~
06年2月24日 高円寺「三人デモ」
06年3月18日 高円寺「反PSE高円寺デモ」
06年3月21日 下北沢「まもれ シモキタ!パレード」
06年3月25日 大阪「反PSE法御堂筋、四ツ橋筋サウンドデモ」
06年3月26日 新宿「反PSE大イベント」
06年4月30日 渋谷「MAYDAY FOR FREEDOM AND SURVIVAL06 FOR THE CONSPIRACY OF THE PRECARIATS」
06年7月8日 福岡「迷惑をかけるやつらのデモ」
06年8月30日 秋葉原「MAYDAY!MAYDAY!MAYDAY!4.30弾圧を許すな8.5PRECARIATS」
06年9月16日 高円寺~中野「家賃をタダにしろ!中野~高円寺一揆」
06年10月17日 下北沢「下北 INSIST! ~世田谷区長よ、シモキタの声を聞け!!」
06年11月26日 原宿~渋谷「反戦と抵抗のフェスタ2006」
06年12月3日 仙台「仙台サウンドデモ STOP6ヶ所!STOP再処理!」
2007~
07年4月1日 仙台「HARUTIGU ROKASO2007」
07年4月16日~21日 高円寺 高円寺選挙
07年4月30日 大久保「自由と生存のメーデー07 プレカリアートの反抗」
07年5月13日 青山「MARIJUANA MARCH TOKYO2007」
07年6月30日 秋葉原「アキハバラ解放デモ」
07年11月17日 北海道 札幌「G8歓迎に非ず」
07年12月1日 表参道「反戦と抵抗のフェスタ07 生きのびる」
2008~
08年2月10日 熊本「熊本ニートデモ」
従来の左翼や党派、労組のデモと、サウンドデモはどう違うのか?60年安保について語られた言葉と、RTS(リクレイムザストリート)について語られた言葉が響きあうことの意味を考えよう。
こうした状況(60年安保)において、既存の政党(共産党や社会党)や労組とは異なる組織が現れ始めた。それは、組織が人々を動員するのではなく、人々が自分達の表現手段として組織を作るという動きだった。こうして安保闘争では、「いままでの型にはまった運動方式ではなくて、自分達で考えた運動方式が出現することとなった。実際に当時の国会周辺は、各地から集まった各種のグループが掲げる様々なプラカードや旗で埋まり、「多声部の複雑なフーガ」の様相を呈していた。そこには学生や労組員のデモだけでなく、劇団員や作家の隊列、大学教授の請願団、暖簾を掲げた商店主のデモ隊、さらにはムシロ旗を持った農民、ウチワ太鼓を鳴らす仏教徒、子連れの女達などが集まっていた。こうした連帯感の中では、孤立した運動家が抱きがちな、悲壮感やヒロイズムが消えていった。6月4日の交通ストの報道は、「どの顔も険しくは無い、むしろ明るい。たえず沸き起こる拍手、歌声」「ごくあたりまえのことが行われている、というカラっとした明るさ」「その日の午後はうきうきと、お祭り気分の表情だった。自信と誇りが祝典となった・・・」を伝えている
小熊英二 『民主と愛国』
このDiY文化(RTS)は既存の左翼運動に対する批判でもあった。RTSの主要な参加者となったのは、旧来の左翼運動の持つヒエラルキー構造にあきあきした人々だった。旧来の左翼運動は、中心的な指導者が存在し、指導者がデモや集会を組織し、参加者がその話を聞くという形式が主流だった。しかし、その指導者の話とやらも、すでにどこかで語られたことばかりだった。それは、何か積極的に作り出すというよりは、常に何かに対して「反対」するばかりで、否定的で、悲観的で、消極的なものでしかなかったのである。若い世代はそうした古い左翼文化にうんざりしていた。RTSのDiY文化は、そうしたこれまでの左翼のスタイルを批判したのだった。カーニバルという手法も、指導される大衆という固定的なヒエラルキーを反転させ、享楽と開放を同時にもたらすために導入されたのだった。
毛利嘉考『文化=政治』
- ∞+∞=∞
- By ∞+∞=∞ / Feb 25, 2008 7:13 pm
さよならmixi マルチチュード響宴/狂宴
イタリアの有名なかくめいかのアントニオ・ネグリさんが3月末に来日します。RLLもその歓待の場の末席を汚すことになりました。入場無料なので軽い気持ちで遊びに来てみてはいかがでしょうか?
ネグリさんとデングリ対話@東京芸大・上野
2006年に素人の乱や野田努さんや東方力丸さんなど、ありえない組み合わせで「スバラシキナカマ」というタイトルのイベントを芸大でやったのですが、今回も同じく芸大での開催。偶然というか必然というか。鮭のように戻ってきた気分です。
実は「スバラシキナカマ」というのはネグリ&ハートの「マルチチュード」のハナモゲラ訳。密室芸人タモリとその鬼才揃いの仲間たちが芸=<共>を生み出す奇跡的なビデオ『すばらしき仲間”傑作集 タモリの深夜の大狂宴』に多大なるインスピレーションを受けたボクらは、ネグリ&ハート&タモリの世界観を夢想していたのでありました。
自由です
木幡和枝さんと接触したいとうせいこうさんは「ネグリ来日は各方面から聞いていたが、芸大では大パフォーマンス大会が開かれるらしい。行きたい。」とブログに書かれています。是非参加して欲しいです。偏った左翼/アナキストの集いにならないためにも、いとうせいこうさん人脈の芸人、業界人、文化人が流れ込んできて欲しいですね。ゲリラパフォーマンス各場所で勃発!芸大炎上!みたいなカオスモスを夢想しちゃいます。
CHAOSMOS
これはイルコモンズさんリミックスのYoutubeクラシックス。去年の夏、中国雲南省昆明の都市での交通体験もこんな感じでした。最初は仕組みがわからなくて怖いけど、馴れると身体と都市空間が溶け合うようでなんだか楽しい。実際交通事故も多いんだけどね。
夢想家時代のボクのmixi内の結社。ネグリ&ハート&タモリ&せいこう。
70年代タモリ周辺文化研究
80年代せいこう周辺文化研究
※mixiに飛びます。
今回を最後にmixiでの日記を書くのをやめます。今までmixi日記をこっちに貼り付けていたのですが、いつまでもmixi思考なのはどうなのか、ってことで、緩やかな相互監視システムから抜け出すために、ここのブログに専念する予定。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 23, 2008 2:47 am
ヨメシチで手に入れなきゃまずいもの
●スティーヴ・ライヒ
ドラミング目当てで二日目に。これはすでにGET!
●ミュート・ビート ワン・ナイト・ライヴ
先行で取らないとまずいね。なんとしてでも。
●ブラック・パンサー エモリー・ダグラスの革命アート集
黒豹党のヴィジュアル広報担当者に興味津々。完全限定生産1500部(シリアルナンバー付)。
2万近くかかるなー。
質に入れる嫁はなし。
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 20, 2008 1:30 am
哲学者とホストの交差領域
嗜好品万歳マガジン談 特集:無意味の意味/非-知の知
萱野稔人、『不毛論』の澤野雅樹と対談。だめ連話からスタート。だめ連のことを初めて知ったのは、たしか大学での澤野さんの授業だったような気がする。『啓蒙の弁証法』の授業。
朝日カルチャースクールの秘密結社的イベント
対談 ホスト界から見た哲学、哲学から見たホスト界
萱野稔人、カリスマホストでサンジャポファミリー頼朝と対談。この対談をきっかけに萱野さん、サンジャポファミリー入り!との噂、巷にあり。
『国家とは何か』/『カネと暴力の系譜学』と『あなたはナンバーワンになれる―脱サラホストが明かす「もう一人の自分」の創り方』の交差領域?
「ホストは店のテーブルを利用して仕事をする半自営業者であり、ナンバーワンになればあらゆる面で有利に仕事を運ぶことができる。そこにあるのは明確な資本主義の世界だ。もはやサラリーマンも会社に依存できる時代ではない。今こそ「ホスト感覚」を身につけ、会社に使われる人間から会社を使う人間になるために、ナンバーワンを目指そう。」(『あなたはナンバーワンになれる―脱サラホストが明かす「もう一人の自分」の創り方』)
交差する領域
RyuguJo頼朝
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 19, 2008 1:25 am
ニーチェが動いた!
ほんの少し。
狂気は個人にあっては稀なことである。しかし集団・民族・時代にあっては通例である。(『善悪の彼岸』)
イスラエル、ガザ地区境界に自動殺傷ゾーン」導入へ
画像:遺体を轢いて安全を確認する、爆弾処理ロボット
苦しみを共にするのではなく、喜びを共にすることが友人をつくる。(『人間的な、あまりに人間的な』)
ファミカセいこかもどろか vol.2
- HarpoBucho
- By harpobucho / Feb 14, 2008 1:12 am
早くもワンダーウォール・キャンペーンのドキュメントPV登場!!!!!!!!!!
まだ完結じゃなかったのだ。
クリス・ランシー助監督ドキュメントPV
- Action
- By intellipunk / Feb 11, 2008 7:11 pm
ワンダーウォール・キャンペーンの回顧と展望(仮称)
早くも「ワンダーウォール・キャンペーンの回顧と展望」なる総集記事が!!!!!!!!!!!
やはりアクティヴィズムは運動神経が大事ですね。物事に即座に反応し、サっと仕上げて、サっと去る。
誰に頼まれることもなく、やりたい人がやりたいことをやり、その触発の中でのみ、面白いものが生まれてくる。面白くないと、いくら正しいことを言っても伝わないんだよね。KITOU SEISHIさんの言葉を借りれば「縁が円で宴となる。これエントランス・フリーにして誰でもエンライトメントなり。」
今回の宴=キャンペーンでちょっとはパレスチナの隔離壁に日本から光を当てられたのではないか、と。
【ワンダーウォール・キャンペーン】
(THE WONDERWALL CAMPAIGN)
2007年12月27日-2008年2月6日
(第一次グラフィティファーダの記録)
前編
後編
個人的に今回のキャンペーンの一番の収穫は、隔離壁の大きさを実感できたこと。本当にグロテスクなほどにでかいんです。わがお茶の間にあったときには巨大に感じられた作品群が、パレスチナの壁にあっては、ほんとうに小さい。驚き!ボクは思わずボブ・マーリーの曲の替え歌を口づさんでしまったのであった。黒いシオニズムは壁を倒す準備万端だ。
If you are the big wall. (おまえ達が大きな壁だとしたら)
We are the small wonder. (おれたちはちっぽけな驚きさ)
Sharpend to cut you down. (だけどお前を倒すために研がれて)
Ready to cut you down. (もう準備は万端だ)
Bob Marley / Small Axe
ワンダーウォール・キャンペーンとりあえず終了。でもこれが新しい始まりなのだ!
HarpoBucho
- Action
- By intellipunk / Feb 10, 2008 2:16 pm
ワンダーウォール・キャンペーン(確定)
ワンダーウォール・キャンペーン→ワンダーウォール・プロジェクト→わんだーうぉーるプロジェクト→わんだーうぉーるキャンペーンとタイトルを微妙に変更しながら、パレスチナの壁にやっと辿り着きました! タイトルが結局、ワンダーウォール・キャンペーンって当初のアイディアに戻ってきたのが個人的には感動的です。
なんでこんなコロコロとタイトルがマイナーチェンジしたか申しますと、個人的な妄想が共有されていく過程での影響関係に寄ります。ボクの中ではパレスチナに貼られたポスター群以上に、この動的な共同作業に価値を見いだし、なんだかとてつもない可能性を感じたわけです。正直、荷物が現地に届かなくてもいいや、って思ってましたからね。マーカス・ガーヴェイが設立した貿易会社ブラック・スター・ライン(Black Star Line)社憧れで始めたハーポ・プロダクションなので、みんなからペテン師呼ばわりされるのもいいかな、と。でも、まあ無事に届き、現場の見事な判断力と行動力で「いい仕事」が成されたことは本当にうれしいですね。直接的にでも間接的にでも、このキャンペーンに関係された全員に感謝!特にこのアクションの発案者である現場の シガ・ムスタファ・ナオキ aka KITOU SEISHI さんに最大限のリスペクトを!
イルコモンズのふた。に詳細レポートが! ボクも煽るだけじゃなくて、スピーディにきっちりカタチにする運動神経がほしい!
▼やればできるし、想えば叶う
以下はキャンペーン評論家のマルボロ内親王氏のキャンペーン評です。内親王、寄稿ありがとうございます!
言論の自由が民主主義の基盤であるならば、それ以前に交通の自由は人びとがそもそも出会うためのもっとも基本的な基盤です。そして検閲が人びとの自由な発話を封じ込めてしまうように、壁は人びとの身体的な交通を封じ込めてしまいます。パレスチナではまさにこの身体的な検閲が人びとの交通をさえぎっていて、人びとの出会いを、混交を、新たな友愛の可能性を押し込めてしまっているのです。
魂とは、古代ギリシャではそれ自身で動くことができるものを意味しました。裏返せば、動くことをやめるとき、魂は枯れてしまいます。ただしギリシャ人は、この魂の運動を身体の運動と結びつけることはしませんでした。しかし実際には、魂は体を通して、つまり足や手や口や目や耳を通してはじめて運動することができます。動くこと、触ること、話すこと、見ること、聴くこと、これらの世界や他者による触発という契機を通して、はじめて魂は生き生きと動いていくことができます。
またギリシャ人は、なにかを記録したり表現したりということもまた、魂の運動においてあまり重要視しませんでした。プラトンは『パイドロス』で筆記行為を、そして『国家』で詩人を非難しました。しかし実際には、魂は書く(描く)ことで、そしてそこで書き(描き)込まれたものに触発されることで、その運動を活発にしていきます。魂の表現というものが、問われなければなりません。
表現すること、それは魂に物質的なかたちを与えることです。そして魂は物質的な形を獲得することで、そこに複数の魂が交通するある場というものを作り出すことができます。さらにまた、物質的な形を獲得した魂は、未来という時間へと受け渡されていくことができるようになります。そこには、同時代的な他者たちの魂とだけではなく、未来の他者たちの魂との交通の場もまた開かれるのです。
パレスチナの隔離壁は、人びとの身体の動きをさえぎります。その壁は、確かに人びとの身体の交通を禁止するでしょう。またその禁止は、人びとの生活やまた魂の活動に大きな制約を課すでしょう。しかし魂の運動は、それでもなお、ある秘めやかな別の回路を通って、一つの格別な交通を生み出すことができます。それが、物質化された魂である表現という回路を経由する精神的な交通です。
僕の肉体がいま存在しているこの日本からは、パレスチナは物理的には遥か彼方に位置します。しかし魂の精神的な交通における特権的な交通機関である想像力と共感にとっては、その物理的な隔たりは究極的には障害にはなりません。少なくとも、そこに最小限の物質的回路が、不可視の電気波動がほんのかすかにでも通っていれば、魂の精神的な交通はそれだけですでに成立することが可能なはずです。
残念ながら僕は少し出遅れてしまいましたが、しかしそれでもパレスチナの隔離壁に刻印された魂の痕跡を通して、遅ればせながら多くの人びとの魂の交通の回路にささやかにでも参加したいと思っています。そしてまた、この交通の回路がどんどんやかましくなって、やがては現実の壁をとりのぞく力へと変わっていくことができれば素晴らしいと思います。
魂の交通の記憶が、少しずつでも暴力の連鎖の記憶を和らげて、そこに共感の回路を広げていってくれることを切に願ってやみません。しかしそれが実現するためには、やはりどうしてもパレスチナの隔離壁という「その場所」に、暴力の現在とは別の何かをまなざす「表現」が置かれる必要があったのだと思います。この「ワンダーウォール」キャンペーンを進めていった、僕の知っている人や知らない人みんなに、賛辞と敬意を送りたいと思います。
マルボロ内親王
- Action
- By intellipunk / Feb 08, 2008 2:17 am
日本人がパレスチナに何かできるとしたら
HarpoBuchoがshigaちゃんと仕掛けたわんだーうぉーるキャンペーンが、なんだか盛り上がっているらしい!
このプロジェクトは、アートを名乗った功名心と自意識の肥大を使って、イスラエルの作った壁の観光地化をする。かの地の血を、人情や仁義にとって不条理な暴力を、世界中に知らせることが狙いだ。その明け透けさにおいて、非常にRLL的なプロジェクトの性質を持っている。
さて、RLLからは以下二つのグラフィックがデカく引き延ばされて、パレスチナの壁へ張られた。
一つは、パレスチナ情報センターから仕入れたブランド黒書的な、かの軍事国家を支援したボイコット企業情報を、例のデザインで手堅くまとめた「ナチラエル」!
もう一つは「Blind Attack」盲切り。これは座頭市のシルエットでBanksy憧れが過ぎる一品。
偶然ですが、Classと並ぶアナルコパンクの盟友で現在もオルタ・グローバルシーンで活躍しているConflictの名盤「Increase the Pressure」収録の名曲と同名ですね。
で、これを分からぬひとに、座頭市を今のパレスチナに見立てたのか、それとも単なるエキゾ趣味の押しつけか、と聞かれたら「座頭市は日本の左翼のスーパースターだ!!!!!」と答えることにしている。理由は…見て下さい「座頭市」を、ものすごくカッコ良くて吐き気がするほどロマンチックに左翼だから。
実は、勝新原理主義のHarpoBuchoには、以前から座頭市の左翼性を「説明してくれ」といっても論理化してくれずにはぐらかされるばかりだった。確かに映画一本見れば、彼の行いは圧倒的に左翼でしかありえない。それは分かっている、けれどパレスチナと世界へ作品を提出してしまう以上、RLLからの説明は必要だと断っておく。といっても平岡正明の『座頭市—勝新太郎全体論』からザッピングすれば、きっと言葉は足りてしまうんだよ絶対に。
- Intellipunk
- By intellipunk / Feb 07, 2008 8:31 pm
速報!成功!ワンダーウォール・キャンペーン(わんだーうぉーるキャンペーン改め)
PALESTINE ISRAEL MIX IT UP
<
RLL-IRA-ILLCOMMONZ-BANKSY and BLACK PANTHER!!!!
「軍事国家ナチラエルの紋章」と「座頭市」
座頭市海を渡る。マジに!!!!!!!!!!!!!!!!!
- Action
- By intellipunk / Feb 07, 2008 1:12 am
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2010.2.27 反新宿署!高円寺路上大パーティざまあみろデモ 【予告編】-
覚せい剤撲滅プロパガンダ 東映編 -
2006/9/16 家賃をタダにしろ!中野→高円寺一揆!予告編
家賃廃止要求デモ!
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