Wearable Ideas RLL

今夜、インテリペペの美食倶楽部 Vol.5

今夜は、intellipunkとペペ長谷川(だめ連/かくめい生活研究所 所長)のなんとかバーでの美食倶楽部が5回目!

ゲストシェフに、近所の外国人ポールさんを迎えて、ビクトリアンヒッピー料理(?)を出します!
http://www.shirouto.org/nantokabar/schedule/

ちなみにインテリ仕事で終わり際にたどり着きます…



TUNISIAとEGYPTとINTERNET(Al Jazeera)

tunisiaegypt
egypt
元ネタ(http://s-ak.buzzfed.com/static/enhanced/terminal01/2011/1/31/13/enhanced-buzz-18806-1296499379-18.jpg)



RLL 2010′S BEST BOOKS

2007年2008年2009年と例年恒例でしたが、今年はなかなか混戦しまして、ようやく一月末日になってしまった!(ハーポ部長お大事に)


RLL 2010′S BEST BOOKS

1 不可視委員会『来るべき蜂起』彩流社
http://www.sairyusha.co.jp/bd/isbn978-4-7791-1480-9.html
http://daigakuseishiwomaku.blogspot.com/search/label/%E4%B8%8D%E5%8F%AF%E8%A6%96%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A
http://blog.livedoor.jp/dailytakadanobaba/archives/cat_22122.html
なんとかフェスの最中にハンモックに揺られて読んで、脳みそを揺らされた、2010年の切迫感を代表する一冊。財政破綻をおこしつつ移民と共存しているEU諸国の若者のリアリティにシンクロ。革命でも社会運動でも暴動でもなく、蜂起なのだよ!ジョルジュ・アガンベンをも刮目させるジュリアン・クーパとは何者なのか?! 斜陽する日本の黙示録として読むこともできるポスト・シチュアシオニストの必読書。


2 フランコ・ベラルディ(ビフォ)『NO FUTURE イタリア・アウトノミア運動史』洛北出版
http://www.rakuhoku-pub.jp/book/27125.html
フェリックス・ガタリや粉川哲夫氏などから伝聞でしか伝えられなかった、伝説のイタリア・アウトノミア運動史が、その当事者から語られる。しかも 2010年の日本の読者へ向けアップデートされた形で。パンクとポスト構造主義が混ざりあった「未来のことなんて心配するな、そんなものはないのだから」など名言多数。ビフォの80年代NYでのバロウズやラメルジーやバスキアとの交流を明かした廣瀬純のインタビューは出色!!


3 マイク・デイヴィス『スラムの惑星 都市貧困のグローバル化』明石書店
http://www.akashi.co.jp/book/b66975.html
http://urag.exblog.jp/10673798/
私たちの同時代に、絶望的な都市環境を生きる圧倒的な人々がいるという現実を突きつけられる。第三世界都市や先進国のインナーシティが羅列され、微細にその窮状が描写され続けると、マジックリアリズムともいえそうな不幸な惑星が浮かび上がる。スラムの記述は量から質へ転化し、世界認識が刷新された圧倒的読書体験、バッドトリップなサイケ。ジジュクをも大儀へ駆り立てた、惑星規模の変化は見過ごせない。祝 明石書店労働争議の組合側の勝利的和解!これで続編の『マジカル・アーバニズム』の出版が進むといいな。


4 春日太一郎『天才 勝新太郎』文春新書
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784166607358
映画作家としての勝新太郎を初めてちゃんと描いた一冊。タイトルが潔い。在りし日の撮影所システムの内幕を掘ってくるフィールドワーカーとしての才も素晴らしい。「千里の道を行き、万巻の書を読む」とは勝新の座右の銘。


5 佐々木中『切りとれ、あの祈る手を』河出書房新社
http://www.atarusasaki.net/book_schneid.html
出版された瞬間にRLLがTシャツを発売しようと決めたのは、すべての革命はのるかそるか! その革命をアジテーションするのは、熱を帯びた文学への信仰告白。ルター、ニーチェ、ルジャンドル、ウルフ、ミラーその渋過ぎるディガーぶりもリスペクト。文学には疎いけれど、僕らも革命と本を切結び読んでいた。次作はドゥルーズ&ガタリのようなので早く読みたい。


6 ステファヌ・ナドー『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』水声社
http://www.suiseisha.net/blog/?p=1176
著者にカフェ・ラバンデリアで逢ったらとてもナイスガイ。児童精神科医らしくひとりひとりに向き合ったサインには、皆にちがうメッセージの入った長い手紙が書いていました。「僕のこの本が貴方達のTシャツのよいアイデアになるといいね!」だって。


7 フェリックス・ガタリ『アンチ・オイディプス草稿』みすず書房
http://www.msz.co.jp/book/detail/07514.html
その『アンチ・オイディプスの使用マニュアル』のナドーが編んだガタリのぶっ飛んだ草稿。近年の『三つのエコロジー』文庫化、『ドゥルーズとガタリ 交差的評伝』から続くガタリ・ルネサンス!(まだ詳しく云えないけど今年もガタリの本が出ますよ)「享楽には不安定な書きなおしがある。コードの過剰価値の潜在性のきらめきだ。容赦ない法を逃れる千分の一秒の享楽。」よくわかる数少ないガタリの口寄せ。


8 ミシェル・レリス『幻のアフリカ』平凡社ライブラリー
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=76_705
http://heibonshatoday.blogspot.com/2010/07/79.html
最近見過ごされがちな、戦間期のフランスの思想家達に傾倒を強めているぼくら。そこでアセファル周りをバタイユ以下を再度探索中。ロジェ・カイヨワ、ピエール・クロソウスキー、ミシェル・レリス、ジャン・ヴァール、そしてブルトン、アルトー、…そこでタイミングよくレリスの代表作が文庫化!ジェームズ・クリフォードの民俗誌的シュルレアリスムを触発させるレリスの妄言!サイコロみたいな造本も最高の一冊。


9 渋谷望『ミドルクラスを問いなおす 格差社会の盲点』NHK出版 生活人新書
https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&webCode=00883262010
あの名著『魂の労働』から7年、渋谷さん待望本書!最近の重要タームであるコモンズやベーシックインカム、ショックドクトリンやジェントリフィケーションやハイパーメリトクラシーを新書的に分かりやすく紐解き、中産階級の負い目や成果主義や御用組合や競争社会といった泥臭い敵のロジックを赤裸々に明かす。この本でだいたいネオリベを覆う厚い雲の間から、未来の陽は見えてくるはず。


10 五所純子『スカトロジーフルーツ』天然文庫
http://bccks.jp/viewer/31679/1/A/VIEW
DOMMUNE「味平」でブレイク(?)した五所さんの初単行本! BCCKS天然文庫でいちばん読まれているんだそうで、しかしダウンロードして読むとどうなんだろうか。『マッサージ』に連載していた傑作連載「社会科見学」他、批評と文学の高次の融合。あとがき「追悼 五所純子」は横尾忠則死亡広告を想い起こす。



そのほかの2010年本

ジル・ドゥルーズ+フェリックス・ガタリ『千のプラトー 資本主義と分裂症』河出文庫
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309463421

ジル・ドゥルーズ 『批評と臨床』河出文庫
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309463339

ミシェル・フーコー 『ピエール・リヴィエール 殺人・狂気・エクリチュール』河出文庫
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309463391

ルイ・アルチュセール、ジャック・ランシエール、ピエール・マシュレー、エチエンヌ・バリバール、ロジェ・エスタブレ『資本論を読む』ちくま学芸文庫
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480083005/

ルイ・アルチュセール『再生産について』平凡社ライブラリー
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=76_711

アルチュール・ランボー 『ランボー全詩集』河出文庫
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309463261

『マイケル・ハートネット+川満信一 詩選』サウダージ・ブックス
http://saudade-books.blogspot.com/2010/09/blog-post_30.html

檜垣立哉『瞬間と永遠 ジル・ドゥルーズの時間論』岩波書店
http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/X/0234820.html

松葉祥一『哲学的なものと政治的なもの』青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%C5%AF%B3%D8%C5%AA%A4%CA%A4%E2%A4%CE%A4%C8%C0%AF%BC%A3%C5%AA%A4%CA%A4%E2%A4%CE

本橋哲也『格闘する思想』平凡社新書
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=85_554

上野俊哉『思想家の自伝を読む』平凡社新書
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=85_537
http://heibonshatoday.blogspot.com/2010/07/blog-post_15.html

平井 玄『愛と憎しみの新宿 ─半径一キロの日本近代史 』ちくま新書
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480065551/

矢部史郎『原子力都市』以文社
http://www.ibunsha.co.jp/

白石嘉治『不純なる教養』青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%C9%D4%BD%E3%A4%CA%A4%EB%B6%B5%CD%DC

ヴァルター・ベンヤミン『ベンヤミン・コレクション(5)思考のスペクトル』ちくま学芸文庫
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480093165/

スーザン・ソンタグ『私は生まれなおしている 日記とノート 1947-1963』河出書房新社
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309205540

ジャン・ジュネ『シャティーラの四時間』インスクリプト
http://inscriptinfo.blogspot.com/2010/06/625.html

マルク・デュフォー『ボリス・ヴィアンと脱走兵の歌』国書刊行会
http://www.kokusho.co.jp/kinkan/kinkan_200912.html

イーディ・ケルアック=パーカー『ジャックケルアックと過ごした日々』トランジスター・プレス
http://thisisradiotransistor.blogspot.com/

サイモン・レイノルズ『ポストパンク・ジェネレーション 1978−1984』シンコーミュージック・エンタテイメント
http://www.shinko-music.co.jp/main/ProductDetail.do?pid=0634047

日暮泰文『のめりこみ音楽起業 孤高のインディペンデント企業、Pヴァイン創業者のメモワール』同友館
http://www.doyukan.co.jp/store/item_046971.html

ビル・モーガン『アレン・ギンズバーグと旅するサンフランシスコ カフェとビートとロックとジャズの聖地巡礼ガイド』ブルース・インターアクションズ
http://bls-act.co.jp/books/2951

レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』亜紀書房
http://akishobo.com/book/detail.html?id=467

スラヴォイ・ジジェク 『大義を忘れるな 革命・テロ・反資本主義』青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?%C2%E7%B5%C1%A4%F2%CB%BA%A4%EC%A4%EB%A4%CA

スラヴォイ・ジジェク『暴力 6つの斜めからの省察』青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?cmd=read&page=%CB%BD%CE%CF&word=%A5%B8%A5%B8%A5%A7%A5%AF

スラヴォイ・ジジェク『ポストモダンの共産主義 はじめは悲劇として、二度めは笑劇として』ちくま新書
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480065575/

ジャック・ランシエール『イメージの運命』平凡社
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/browse.cgi?code=702085

『VOL 04 特集=都市への権利/モビライゼーション』以文社
http://urag.exblog.jp/10489506/



intellipunk 2010年10冊

1 高祖岩三郎『死にゆく都市、回帰する巷』以文社(2010)
http://www.ibunsha.co.jp/
高祖さんの初エッセイ集。楼閣と巷を切り分ける思考嗜好に共振。高円寺のことをNYから記述されているように勝手に読んだわけで。装丁RLL intellipunk。現代思想書籍のお仕事募集してます。


2 ジョン・リーランド『ヒップ アメリカにおけるかっこよさの系譜学』ブルース・インターアクション(2010)
http://bls-act.co.jp/books/2912
この本に書かれたアメリカは好きなアメリカ(軍産複合体は嫌いなアメリカ)。最高にクールなアメリカ文化の教科書かバイブルか。片岡義男『ぼくはプレスリーが大好き』の様に読み継がれる一冊。装丁RLL intellipunk。サブカルチャー関連のブックデザイン随時募集してます。


3 クリスティアン・マラッツィ『資本と言語 ニューエコノミーのサイクルと危機』人文書院(2010)
http://www.jimbunshoin.co.jp/book/b66284.html
http://urag.exblog.jp/10743595/
http://www.honza.jp/senya/1385
この領域、つまりマクロ経済とかいってメルトダウンした国際金融資本主義を誤摩化すペテンに、ポストモダン左派として果敢に切り込んでゆくマラッツィについてくしかない!マイケル・ムーア「キャピタリズム マネーは踊る」の副読本にどうぞ。


4 市田良彦『アルチュセール ある連結の哲学』平凡社(2010)
http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/viewer.cgi?page=browse&code=702089
http://heibonshatoday.blogspot.com/2010/09/blog-post_23.html
http://urag.exblog.jp/11309081/
ちくま文庫『再生産について』など再発があったりして、アルチュセール・ルネサンスが2010年は個人的におこったわけだが、その切っ掛けであり最大の収穫は本書。98年の現代思想『特集アルチュセール』で今村仁司さんとの「討議 アルチュセールのアクチュアリティ」で市田さんが、本書の構想を語られていて、足掛け何年のホント待望。もったいなくて、ただいまゆっくり読書中。ちなみに最後はこう締められている「同志諸君、ともに笑おうではないか! 手紙を送ってくれたまえ! 弁証法を背後から襲う二重化の策略は、このように貫徹された。」


5 雨宮処凛『反撃カルチャー プレカリアートの豊かな世界』角川学芸出版(2010)
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=201001000340
雨宮さんの本でRLL∞+∞=∞が変態左翼として登場。梅原北明とドゥルーズを交配させた赤裸々な過去が暴かれる!? RLLお勧め本は政治哲学とか多すぎて難し過ぎると思っている人は、この本からはじめるといいよ!


6 オルトヴィン・ヘンスラー『アジール その歴史と諸形態』国書刊行会(2010)
http://rakuhoku.blog87.fc2.com/blog-entry-658.html
網野善彦と阿部謹也に影響を与えているという歴史的名著決定している伝説の本、ようやく邦訳ですよ!高くてまだ購入に至っていないながらランクインw 図書館に入ってないかしらん


7 ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』ハヤカワepi文庫(2007/2010)
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/310062.html
http://book.asahi.com/review/TKY200703270219.html
ポストコロニアルな収奪/買春/観光される側から書かれた、それでいて文学としての水準が異様に瑞々しく、有り体でいうとセゼール春樹のような青春小説w アピチャッポン・ウィーラセタクンのパルムドール、バンコクの反独裁民主戦線のバリストと並び、個人的に中産階級化するタイへの憧憬を強めた一冊。


8 野田努、三田格、松村正人、磯部涼、二木信『ゼロ年代の音楽 壊れた十年』河出書房新社(2010)
http://www.dommune.com/ele-king/news/000173/
野田努×磯部涼×二木信のぱちか村トークショウの中身が最高すぎて、重要な部分はオフレコになったのがちょっと残念だけど、それでもこのディスクレビューのお陰でこの10年を振り返られる。元remix人脈が新しくele-kingを立ち上げたことにも嬉しい。二木くんの落とした原稿を読みたい。


9 ヴィクター・ヘッドリー『ヤーディ』トランス・ワールド(2010)
http://mediadefrag.jp/project/yardie/
荏開津広さんと浜田淳さんの「世界の青春」叢書の一冊目、これは期待しない方がおかしい。スカーフェイスやギャングスタ、レゲエ/ジャマイカ/ルーディの世界観が好きなら必読。解説に唐突に、でも必然を持って新自由主義が挿入されると、それは過酷な世界への想像力の話へ飛躍する。読後はコカインの様に上がる。


10 シーザー・パディーヤ『アンダーグラウンド・ロックTシャツ RIPPED』ブルース・インターアクションズ(2010)
http://p-vine-books.com/books/2953
困るんだよねー、こういった本出されるとRLLの元ネタわかっちゃうじゃない、とクレーム付けたくなるほどいいTシャツが満載。ハイファッションにはないコクが出た使用後の捨てられないTシャツを持つ同志達へ。この価値観は世界中で共有されているんだ、安心してタンスを肥やそうじゃないか。





∞+∞=∞ 2010年の?冊

1 The Penland Book of Handmade Books: Master Classes in Bookmaking Techniques
http://www.amazon.co.jp/dp/1600593003/
 キンドルやipadの登場、オートスキャナーと裁断機による本の自宅での簡単な電子化環境(自炊環境)が整い、本が消えていこうとする現在、フェティッシュな意味で「本」を問い直すべき最高の方法論を提示するのが本書である。つまり、完全なハンドメイドによる本という規格や概念の破壊と、本というシステムへの抵抗であり、最良の意味で概念の枠組みがはずされた結果、自由で、アナーキーな「本」が個々の作家それぞれの声を、解放を、浪々と謳いあげる。あふれ出し、ぶちまけられた「本」は作家のアイデアの琴線の上をサーフィンし、情熱をドライブする。ページをめくるたびに加速されたテクニックとフォルムが次々と襲い掛かり、恍惚のジャブやフックが繰り出される。完全なノックアウト。後には、「本」とは何か? ではなく、それはもはや過去形であり、我々が「本」と思い込んでいたものは何だったのか? なぜ我々はこれが本だと思い込んでいたのか? という問いだけが残される。アートで言うならばダダ、音楽で言うならばフルクサスやパンク。「本」というスタイルがまだモダンでしかなかったことを確信させる、圧倒的な衝撃とアイデアを無数に詰め込んだ概念と方法の道具箱にして真の意味の情熱の覚醒剤。これほど本を作りたくなる本は無い。そしてまた、自分自身の本を生み出すということこそが「本」を守り、愛しぬくただ一つの方法だということを歓喜を通して身に染み込ませる最良の一冊。


2 Eco Books: Inventive Projects from the Recycling
Terry Taylor
http://www.amazon.co.jp/dp/1600593941/
 卵のパック、カセットテープ、お茶のケース、クレジットカード、コーヒーのフィルター、あらゆる身近なものに言葉の弾丸を詰め込み、圧縮し、世界を綴じ込む、アイデアと技術の宝庫。


3 The Guerilla Art Kit
Keri Smith
http://www.amazon.co.jp/dp/1568986882/
 イリーガルでヴァンダライズなものとして認知されたバンクシーに代表されるハードコアなゲリラアートを、日常的にポップにソフトランディングさせようとする啓蒙書。近所の空き地に勝手に種をまく「ゲリラグロウ」や、ゴミ箱やポストを顔にしてしまう「メイクフレンド」、自分が受け取ってみたいラブレターを路上に放置する「ラブレター」、標識や路上のオブジェにニットをかぶせてかわいくしてしまう「ニットタグ」、様々なメッセージを布に書いたり、プリントし、木々や電線にぶら下げる「バナー」などなど。小さな不定形の詩がトラップとなって街中にばら撒かれ、日々を革新し、更新し、交信する。



今夜、インテリペペの美食倶楽部

kiritanpo

ただいまインテリペペ(インテリパンク&ペペ長谷川)の美食倶楽部@なんとかBAR 営業中!
今夜の美食は、インテリパンクの故郷秋田が誇る郷土料理きりたんぽ!
からだの芯まであったまる!
画像はあくまでイメージです。

営業時間:20時~0時過ぎ
なんとかBAR (素人の乱16号店) 情報
http://trio4.nobody.jp/keita/shop/16_nantoka.html



懐かしさ、以上の、何か。日本地理風俗大系 昭和5年、全18巻より。

鉛筆で磨き上げたような海士(海女)の肌。ペニスの先にわらしべを巻いただけで漁をする漁師。アイヌの刺青と、剛毛。馬賊の襲撃から身を守るために拳銃を構える和服の婦人たち。台湾の霧社。横たわったまま、阿片をくゆらす男。まるでRPGに出てきそうな朝鮮の老人。乳房を丸出しにして石炭車を押す女。古い写真に宿るのは、懐かしさ以上の、何かだと、思う。かって日本だったもの、かって日本人だった人。今は、もう、無い、国と人々の、イメージ。 日本人の境界、日本の境界の、揺らぎと震え。



平岡正明という「金玉」思想

チェックチェックチェック労働のせいで自分の身体にストレスが溜まっていくのがわかる。ストレスフリーの生活を半年続けていたので、この感覚は久しぶりで、ある意味変成意識状態。ストレスは活力に変成するので久々に週末グラスルーツに踊りに行きたくなった。まあ、寒いので行かなかったけど。

それにしても仕事を真面目にやればやるほど、なんだか大事なことをサボっている気がしてくるから不思議だ。活力はロウだったけど、毎日が充実していた無職時代のほうがよほど「仕事」をしていたような気がする。だっていまやってることって一日中、文字と文字を照らし合わせて蛍光ペンを走らせるだけだからね。退屈に耐えることに報酬が払われている。

無職時代にやった仕事のひとつがカタチになった。

同時代批評17 平岡正明という思想

doujidai
マルコムXのポスターをバックに赤いマフラーがかっこいい平岡さん

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目次における「ハーポ部長」と「金玉」の字面はもはやシュルレアリスムの域?

同時代批評という1994年に廃刊した熱い左翼誌の別冊という扱いなのかな。書いたボクもよくわかっていない。岡庭昇さんの個人事務所が出版している渋い本なので、あまり書店では見かけないと思うけど、見つけたら何かの運命だと思って手に取ってみてください。模索舎なら取り扱ってるはず。ネットではリンク先のブックスナイパーで。アマゾンでもそのうち買えるのかな。

2006年に法政大学の教室をジャックして主宰した思想芸興行第2弾「DJ寄席」の平岡さんの講義映像をMacで編集しながら、そのライナーノーツを書いた。何時間も平岡さんの映像を観てたら、平岡さんがボクのなかに入ってきて自動筆記状態に。というのは嘘だが、メディア(霊媒)を利用してのイタコ役をやった。

他の執筆陣の方々も平岡さんへの愛に満ちていて素晴らしい。面白い。特に上杉さんの文章には平岡さんが入り込んでいて凄い。ボクのなんちゃてイタコとは違い本職の芸。浅利さん、五所さんという同世代の女性がたまたま「金玉」に言及していてびっくり。「金玉」「キンタマ」「きんぎょく」など表記が統一されてないのもよい。タマは変化する、というのが折口信夫の説である。

見たことない貴重な写真(平岡さん美声年!)も多く、ファンならもちろん買いの一冊。

法政大学で行ったDJ寄席の第1弾は浅利さんがやってるハタリブックスの編集で書籍化されてるので、こちらも併せてよろしくです。

平岡正明のDJ寄席



チェックチェックチェック

さあ、今日から仕事だ!!!

朝の太陽の光は実に気持ちがいい。ちょうど8時ぐらいの陽光がカフェ・タンジールのモスク(?)に反射してまるでミラーボールのよう。羽を広げた孔雀なんて喩えをしたら大袈裟過ぎるが、なんだか祝福されている気がする。
sun

実は今日が失業生活最後の認定日となるはずの日で、つまり、失業(保険)生活最後の日に労働開始ということになり、その見事な繋ぎっぷりにわれながら感心している。

この2年で合計13ヶ月ものお手当を頂戴していることになり、こんなにシステムをフル活用している人間はそんなにいないであろう。お陰さまでこのようにシューショクすることできた。とてもいい制度だ。まあ、3ヶ月後にまた失業するんだけど。今度は無給の失業だから、また今回のようにうまく繋いでいくしかない。

職場に着く。指揮命令者に支持を仰ぐ。ボクの仕事は印刷物のチェック。朝から夕暮れまで、月曜から金曜まで3ヶ月間チェック三昧。チェックをしている姿を職場の人にチェックされ、さらにはハケン会社の担当者も現れボクをチェック。仕事が終わるとタイムシートにチェックをもらって解放。

いったいこれはなんだろう。本当に仕事なのだろうか。なんか不条理な劇を演じていたら、あまりのロングラン公演のせいでみんな芝居であることをすっかり忘れてしまったんじゃないか、というような妄想に耽りながら、チェックしまくる労働初日。



FILM JLG SOCIALISME

http://www.youtube.com/watch?v=FN27Hhfkf6k

既に観たHarpoBuchoにはきわめて評判のよろしくない『ゴダール・ソシアリズム』を今日観てきた。

いや、傑作でしょこれは。

スペクタクルとして消費すること、3Dやハイビジョンのありふれた目と耳の快楽、小児的全能感なご都合主義的つじつま合わせに浴することを、そのような安い快楽が映画だという固定観念がある。
が、スペクタクルな『映画に反して』そこから身を剥がし、立ち上がる映画の享楽に心を向かわせれば、少なくとも『映画史』や『アワーミュージック』以上に、この『フィルム JLGの社会主義』は、相当に映画を観ながら考えることの楽しみを与えてくれる。廣瀬純が以前「そのくらいのこと(パウロ・ヴィルノやドゥルーズシネマの思考圏、イマージュの搾取というシネキャピタル問題)を考えていない映画監督には興味も湧かないし、観る必要もない」と語っていたが、まさにその通りで、観るべき数少ない映画作家であり続けている。映画は快楽ではなく享楽であるべきだ、モノを考えよう。



JLG_S3

第一楽章〈こんな事ども〉、第二楽章〈どこへ行く、ヨーロッパ〉、第三楽章〈われら人類〉だが、それだけがメッセージだと割り切ってもいいだろう。地中海をクルーズする豪華客船で、暇を持て余し船内のディスコや晩餐やプールやエクササイズやスロットゲームや読書やミサや日光浴をする有閑階級。働くのは皆、有色人種。配役らしき配役もなく、謎掛けのような客船ドラマに回収すべき伏線もなし。ただ青い海に対して金と黄金と金貨がよく目立った、地中海の強い日差しで。
寄港地はエジプト/パレスチナ/オデッサ/ヘラス(ギリシャ)/ナポリ/バルセロナ、それぞれの歴史的記憶がカットアップされる。ヨーロッパとエジプト、フランスとアルジェリア、パレスチナの『ヒア&ゼア』とナチズム、ファシズムとナポリの連合軍上陸、ギリシャ悲劇と民主主義、オデッサのポチョムキン階段、バルセロナではスペイン内戦で消えた黄金をめぐる船上ドラマも絡む。国際旅団、人民戦線、コミンテルンとCNT、不可解な台詞や挿入される映像からたくさんの歴史的な連想が続く。

これは劇中も引用されたブローデルの『地中海』の抽象的な映画化といってもいい。スーダンの金とイスラムとキリスト教圏の歴史を地中海世界から透過した、アナール学派の研究とインターナショナル(国際共産主義運動)の動きと流れ、それを端的に〈われら人類〉と重ねられる。金持ちの遊ぶ(こんな事ども)豪華客船(ヨーロッパ)が地中海(われら人類)を回る。


JLG_S2

さて、社会主義ではなかったら、小さな船であるこの地球で、我々はいかにクルーズしてゆくのか。ゴダールはインタビューでこう答える、パンフレットから引用しよう。
「―やはり政治が問題?
そう。近代民主主義は、政治を、切り離された思考の領域に押しやることで、全体主義に向かった。
―”X+3=1”とは?
アインシュタインの公式というよりも、モンタージュ思考の頂点と基点にある隠喩だ。たとえば、財政に関するモンタージュで、今のギリシャの借金とドイツ人旅行者は関連づけられるし、”財政が大事にされるときは、国家はもう見込みがない”というモンテスキューの言葉に耳を傾けることができる。」



JLG_S1

いささか歴史/政治的にゴダールを読みながら観る性で、このエキサイティングな思考の悦びを、多くの人と共有できていないとは思いつつ、最後のFILM JLG SOCIALISMEの前に、赤い字でCOMMU…とタイプされていたことは(パンフレットにあるシナリオ採録にも乗せられていなかったが)ここで強く明記しておこう。

追記、COMMU…ではなく、タイプされていたのは白い文字で DES CHOSESのあと COMME…でした。願望を読み込み過ぎでしたね。



反転するやつし

年末に大掃除をしてたら、模索舎月報2010年4月号が出て来た。そこにボクは「失業カルチャーを生きる」というタイトルでこんな文章を書いていた。

「失業カルチャーという側面から歌舞伎を見るときに「やつし」という概念は重要だ。身分を降格させて、本来の生活状況とは違う生活状況に生きる人物のことを「やつし」という。やつしにとって大切な点は単に下降した生を生きるということではなく、下降した生を生きながらも、本来の生を保持していることである。」

海老蔵事件を予見(?)したかのような文章である。身分の低い者(海老蔵目線で)にボコボコにされ、卑しいワイドショーの餌食にされ、極上(極下?)のやつしを味わった海老蔵の復帰後の芸力が愉しみだ。

人のことを考えている場合じゃない。ボクが最大限の関心を持っているのはやはり自分問題である。やつしな生活から抜けでようとしているのだが、はたして戻るべき本来の生活がどこにあるのかさっぱりわからないのである。

正月に和田掘公園で物騒なものを拾った。

gun

金色のマシンガン。銃剣付き。子供のおもちゃに刃物はえぐい。なかにタマが数発入っていたので夕日に向かって発砲してみる。今年の抱負は武装闘争? それはありえない。拾い物や貰い物との遭遇に因果な意味を求めたがるボクは、このマシンガンとの出会いがいったい何なのかオチをつけたくてしょうがない。数日前に100円で買ったハイジャックの女王の本のせいもあるのだろうか。

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周りの人間から言われている影響か、実は失業状態が本来のボクのあるべき姿なんじゃないかという気もしていて、そう考えるとまた明日からやつしの日々が始まるわけである。



新しい流れに乗ってみる

今日が失業生活最後の夜。なんかそわそわするな。心臓の鼓動がカウントダウンを刻んでいる。でも明日の11.1.11という日付の並びは出発にはもってこいだな。旅立ちの期待と不安のなかで聴く友川カズキ(@dommune)の歌は実にいいもんだ。愛らしい毒話術も。

去年は半年仕事をして、半年遊ぶ、というライフワークバランスが完璧だった年。さて今年はどんな年になるのだか。まったく先行きがわからない。シューショクといっても短期間のハケンなのだ。

不安定はいいことだ、というのは70年代のアウトノミア運動のスローガンのひとつだが、確かに一生会社に服役するよりかはいいことだ。先が見えない楽しさを楽しめるかどうか。賽を振る瞬間の興奮を実人生でも味わえるかどうか。まあ、どんなゾロ目が出たとしても今年も貧乏であることは間違いない。でも安心している。貧しさの持つ豊かさは間違いないというのが、図書新聞新年特集号における小沢昭一の小沢昭一的こころだからである。去年、昭一の穴に落下した者が言うのだから間違いない。

昭一の穴
http://www.rll.jp/hood/text/harpobucho/20100620231630.php

shoichi

去年のキーワードを漢字一文字で表すと「流」(横浜社会起業家スクールへの流学、気流舎への寄留、公安テロ情報流出本関連のバイト)だったわけだけど、今年も相変わらず流されて生きて行くことになるだろう。こうなったら軸のない人生を人生の軸にするしかない。リゾーム万歳。今年の目標のひとつは河出文庫のD&G本の読破なのだ。

これから去年の最高体験のひとつ、ラビリンスのFUNCTION-ONE×FUNCTIONのプレイを脳内でプレイバックしながら、ドミューンに浸ってさっさと寝ることにする。



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