小熊英二「1968(上巻)」のカバーガールを巡って。

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 小熊英二の「1968~若者たちの叛乱とその背景」がようやく出版され、店頭に並んでいるのを見たんだけど、驚いたことに、その表紙を飾るカバーガールに見覚えがあったのだ。ワオ。君、なんでこんなトコに!!って感じの再会。相も変らず彼女はゲバルトローザとまでは言わないが、ゲバ文字で「地歴」と書かれたヘルメットをちょこんと被って、所在無さげにそのアゴ紐をいじっているかわいらしい女の子で、僕は、彼女について直接説明を聞いた覚えがあるのだった。彼女は確か早稲田の地下部室にある歴史研究会で、ノンセクトだったような・・・・ もはやうろ覚えになってしまった説明をしてくれたのは、今は亡き、その写真を撮った張本人、新井正美さんで、新井さんは早稲田の文学部正門前にある「あかね」の初代オーナーだった。学生運動が一息ついてから新井さんは夫婦で「あかね」をオープンし、いくつかのサークルの溜まり場としてそのお店は機能していたそうだ。(ジャズ喫茶ってわけじゃないが、これまた村上春樹っぽい。そういえば当時まだ学生だった村上春樹の話もいろいろ聞いたな・・・)新井さんが病気で倒れてから新しくあかねを引き継いでくれる人を募集していたところ、だめ連の人々が立候補し、あかねはだめ連の溜まり場へと変った。そこで亡くなる直前の新井さんに会って当時自費出版した写真集を見せてもらいながら、説明を受けたのが懐かしい。かなり病巣の広がっていた新井さんは痰を切るように苦しそうなセキをしながら、当時の話をいろいろ聞かせてくれた。まだ「1968」は読んでいないが、これを執筆していた時の小熊さんの話によるとけっこう辛らつな内容なようなので、ぜひ読みたいと思う。運動にしてもヒッピーししても、なんでも、盛り上がってよかった、あの頃はよかったという話ばかりで、なぜそれがダメになったのか?という話がなかなか聞けず、うんざりしているので、早く読みたいところだ。ちょと、値段とページ数が半端でないので、気合を入れるのに時間がかかりそうだが、「民主と愛国」が意外とすんなり楽しく読めたので、期待している。(と、言ってもこちらはやはり、見苦しいし、重いんだろうな・・・)

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ちなみに彼女の横のページ2人の男性は生まれたばかりの赤軍派。



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