Sucker

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えーと、エアロゾルアート(含ステンシル)に何か輝きを感じている、グラフィックデザイナー(広告もやる)として、職業倫理の問題として憤怒した。上記フォトはチューリッヒ自動車保険のビルボードとして、昨夜観たモノと同じ。この写真の上にコピーとして、あなたの車に落書きがあったら云々と不安を煽っているシットな文字が載っていた、以外は同じ。

まず、自らの商品の訴求として、グラフィティを社会不安と断定した上で利用し、さも自動車保険に今すぐ入らないと明日の朝はやられている、と煽動する商業主義のあさましさに反吐が出る。てめえの売り物の儲けのために、社会悪としてグラフィティを挙げつらねるってのは、やりすぎじゃねぇの? 丁寧に壁からはみ出て車にまで描かれた、広告主にとって最良のご都合主義な具体例(どっかの知恵のない三流のデザか美学生に金を掴ませて描かせたのだろ)を、自家用車保有者に恐怖する様に見せつけやがって。広告用に嘘を作り込んだ欺瞞、アートディレクターもクリエイティブディレクターも明日から廃業しろゲス野郎! 上司に言われるままに仕上げたデザイナー、それ最高!採用!とかぬかしたクライアント・代理店も同罪だ、今月中に仕事辞めろ屑。
だいたい、壁から車へ繋がってキャラやピースを描くことなんてあるのか? ライターにとって車邪魔だろ、描くならよその壁行くだろ。わざわざピースの一部が移動することのメリットないだろ、そんなグラフ描くスタイルなんてあるのか? 車の所有者に恨みあるんなら描かないでボコるだろうし、車に描く専門がいるんならこんないい加減な描き方しねぇYO!
どうやら、グラフィティを「いたずら」と勘違いしてんじゃねぇの、ってことじゃない様だな。「落書き」ってヘッドコピーで入れていて、これは確信犯だと分かっているよ。大抵は自動車狙いはボディに傷を付ける様な「いたずら」であって、車にわざわざ「落書き」をする酔狂はごく稀だ。そして自動車保険の契約では、「いたずら」と「落書き」は峻別される、ちょっと調べたらすぐに分かったわ。被害ケースによくある車への「いたずら」は、「落書き」に比べリスクが多い分、旨味が少ない(支払い拒否のところもある)。そこで「落書き」への不安を大きくすれば、心配性の自動車オーナーから保険屋は儲けられるわけだ。「落書き」を街中に増えつつあるグラフィティからの車被害と虚偽申告すれば契約万事OKですか、あんたら。臭い金儲けの為に、あるはず無いグラフィティへの罪をでっち上げて、最悪だな。
それとも実被害がグラフィティであった例があるのい? そのライターは車専門で、手当たり次第やったのか? この写真のままの被害なのか? そして今、車への被害は増えているのか? ちがうだろ。全くの自律したルールのないグラフィティという怪物を仕立て上げて、ありもしない不安をアジってるんじゃないよ。(そうそう、「ありもしない不安をアジ」は不安な安っぽい弱い人間的な感情で、それは2ちゃんでもよく見かけるし、少し前の東京の地震があったときは朝鮮人が日本人に拉致られてリンチで殺された。これはこれで、とっても根の深い欠陥だ。けれど今回は金の為にデマるってこと、心根の卑しい下劣なことだ。)
これが、実際のドキュメンタリーな写真だったら何も言えない。しかしお前らは嘘を付いてグラフィティをただの破壊者にして金儲けしようとしている。無闇にスクラッチしたりヴァンダリズム(公共物破壊)を前提に活動してるライターもいるだろう。けれど基本的には、グラフィティは私有物ではなく公共物へアプローチするものだ。私物である自家用車へは、よっぽど変わったライターの私憤か因縁か、もしくはロケーション的にやってもいいだろと心くすぐる特別な物件じゃない限りない。ありもしない愉快犯的な車を狙う怪物を創作するんじゃない。それとも車へ急襲するスタイルが流行して欲しいのかな?
その嘘広告が「ビルボード」だってのが皮肉。金で壁を買って、いかさまグラフィティ飾るならOKなのかい。そうした金権への内在的批判がグラフィティをイリーガルへとかきたてているんだぜ。


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  • By intellipunk / Oct 19, 2006 4:14 pm

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