朝のつぶやき集6

朝の慌しい中、一気に書きなぐるスタイルがなかなか気にいっている。だがトラブルが起きると日記など書いている暇などなくなる。

厠噺は職場でのトイレの気まずさを克服するために、トイレを茶室に見立てて、普段話す機会のない職場の人とフルチンなこころの交流をしていくというドラマのはずだったが頓挫してしまった。すべては蚊のせい。


厠噺(の枕) 2010年06月08日09:02

廓噺じゃなくてね。

最近朝出勤前に日記を書いているので、「よく朝から書くことあるね」などと会った人に言われるのだが、思考がシンプルな朝のほうがいい感じなのである。朝のシャキとした空気と小鳥の軽快なさえずりとコーヒーの深いアロマの香りがなかなかいいセッティングなのである。夜はいろいろと考えることが複雑過ぎるので、思考を停止して何も考えずになるべくエンタメに過ごしたい。

澁澤龍彦が誰かがエッセイなんてものは湯上りにサラっと書くものだ、と言っていて、なるほどそうだよな、と腑に落ちた覚えがある。エッセイには脱力力がいるのだ。最近うれしいことに尊敬する芸能者に関するエッセイと創刊号から愛読している雑誌のためのエッセイを書かせていただいたのだが、憧れが強すぎて力みで苦戦してしまった。深夜1時ぐらいの闇鍋みたいにいろんなものを煮込みすぎてしまったのだ。mixi日記はどうでもいいことをどうでもいい気持ちで書けるから楽チンだ。

でここまでが厠噺の枕で、男子なら誰でも経験したことがあるであろう放尿と脱力の噺をこれから書くつもりだったのだが、残念ながらそろそろ出勤の準備をしないといけない時間になってしまった。また明日、セイムタイム・セイムダイアリーで。


厠噺 前編 2010年06月09日09:05

桂枝雀は「緊張の緩和」が笑いを生むとする独自の落語理論を唱えていたが、放尿理論も同じことである。尿意を悟られまいと平常心を演じながら堪えている緊張状態からの解放が、あの綺麗な放射線を描くわけである。

しかし、トイレに駆け込んでも緊張が抜けない状況がある。尿意マックスなのに何か栓が詰まっているんじゃないかと思うときがある。今日書きたいことは職場の厠噺である。

ボクの職場は女性職場なので男性トイレの待遇がよくない。小便用トイレが狭い空間に二つしかない。基本的に職場ではあまり心を開いていないので、人と一緒になるととても気まずい。

お互い息子を握り締めながら密に横並びにいる非日常的な状況は大変バッドである。特に無愛想な同僚や苦手な上司がお相手の場合はなおさらで、緊張の高ぶりがとまらない。これではいかん、と息子が強いられている緊張状態を緩和させるべく親心が働く。必要なのはリラックスした会話だ。

「昨晩のドミューンやばかったっすねえ」などと共通の話題があれば楽チンなのだが、そうは問屋が卸さない。何か当たり障りのない気の利いた言葉を探る。言葉が見つからずさらに緊張が高まる。その緊張が相手に伝わり相手も緊張する。相手を緊張させてしまっているのではないかという緊張感が・・・・悪循環の枝雀的状況である。

「いやーなんかこういう状況って緊張しますねえ、まったく何をしゃべっていいかわかんなくて」などと「いま」「ここ」の正直な感想を話してみると、相手も同じ環境に身をおいているので、その言葉待ってました!とばかり意外なほどに共感の言葉が返ってくる。その瞬間、互いの緊張は緩和され、ジャー(ラスタファーライ!と心の中でつぶやく)というありがたい音が同時に聴こえてくるのである。

オフィスのトイレは茶室説を書こうとしたが出勤の準備の時間が。また明日セイムタイム、セイムダイアリーで。


緊急事態発生につき 2010年06月10日09:12

おもわずつぶやいてしまったのだが、大惨事がおきたのでセイムタイム、セイムダイアリー中止。

両足の裏を蚊に刺されるというマヌケな緊急事態で歩行が困難なんで今から家を出ます! 出勤準備はばっちり。

両足とも小指の裏側を刺され晴れ上がっているので自然と重心が内側に。内股っぽい歩きが尿意を我慢してるみたいってことで明日に繋ぎます。

すべて蚊のせい  2010年06月11日09:16

ベランダの植物の成長と窓から見える猫の気持ちよさそうな朝寝を観察してたら時間があっという間に過ぎてしまった。いったんリズムが崩れるとセイムタイムセイムダイアリーは難しくなる。

昨日からだいぶボクの活動力は奪わてるので蚊はなかなか侮れない。両足へのダメージと同時に首を寝違えたので歩行がとてもちぐはぐでモンティパイソンってホント悪い奴らだよなあ、と思いながら駅まで15分かけて歩行。


サムライの憂鬱 2010年06月15日09:09

日記ってのはリズムが肝心だ。朝起きる。窓を開ける。メダカにエサを、植物に水を、自分に陽光をあたえる。今日はブラジル戦だな、とコーヒー豆をその日の気分でセレクトして儀式のように心落ち着かせ淹れる。それを飲みながら、朝の連続ドラマ小説を見る。その流れで毎朝日記を書こうという魂胆なのだが、蚊に刺されたり、サッカー日本代表の勝利映像を見て心乱れリズムが狂ってしまう。

オフィスの厠は茶室説を書くことがもはやどうでもよくなってきて、ナショナリズムがからんだサッカーの熱狂について今は考えている。

岡倉天心の『茶の本』を改めて読んでみたわけだが、無知な欧米人に東洋の叡智を知らしめる意気込みが迫力あり。

アルコールの酩酊とサッカーの勝敗の熱狂とは違う静かな熱狂というものもある。とにかくサムライが苦手だ。


「武士道が武士や兵士をして喜び勇んで自己犠牲に走らせる「死の術」です。一方、茶道は毎日を生きる「生の術」について多くを教えてくれるものなのです。」

「しばしの間、世のはかなさに思いをはせ、あまり意味はなくても美しいものの中をさ迷いながら、静かな時の流れに身を任せてみたらどうでしょうか。乱れた世の中にあっては、何が真実かもわかりません。そのようときには、ちょっと身を引いてみることが必要です。そうすれば客観的に世の動きを観察することができ、真実もよく見えてきます。」

「お茶の木がツバキ科に属しているといことからお茶を「ツバキの女王」と名付け、酒の神や戦いの神ではなくツバキの女王に身を捧げてみるのも悪くないでしょう。お茶の世界に入ることによって、ツバキの女王の祭壇から湧き出てくる温かい流れともいうべき人間同士の共感の感じられる雰囲気の中で、夢中に騒いでみたらどうでしょう。」

岡倉天心『茶の本』より


坂口恭平×中沢新一 2010年06月16日06:50
今日は2時間早く家を出る。2時間早く仕事を終えてドミューン見学に行くために。

http://www.dommune.com/

今夜のドミューンは坂口恭平×中沢新一対談。スタジオ予約が一瞬で埋まったらしいけど、ボクは善行したので招待で入れる。ラッキー。

前回の「都市型狩猟採集生活」で坂口恭平がなんのコネもないのに「次回のゲストは文化人類学者の中沢新一さんです」と吹いたのがそもそもこの対談のはじまりである。やりたいことはとりあえず言ってみるものだね。誰かが実現のために動いてくれるかもしれないから。

『茶の本』より

「チャールズ・ラムはお茶の愛好家であると公言している人で、自分の知っている最大の楽しみは、こっそりとよいことをして、それがふとしたことで人の目に留まる点にあると書いていますが、それはまさに茶道の神髄です。茶道は美を後で見つけられるようなかたちで隠したり、暗示するだけで進んで見せることをしなかったりする術だからです。それは、静かにしかし心ゆくまで自分自身を客観的に見て「笑う」極意であり、それも程度の高い極意ですから、まさにユーモアそのものです。人生に対する哲学のほほえみといってもよいかもしれません。」


インタビューあそび 2010年06月17日09:05

昨日はドミューンに余裕を持っていくために16時半には仕事を終えたんだけど、19時までには時間があるので暇をつぶすことに。退屈は死ぬほど嫌いだが、暇は生き生きしてしまうほど好きな時間だ。

今後の人生の参考に上野のハローワークをちょっと覗いて建物を出ると撮影クルーが獲物を見つけた動物のような動きをしはじめたので、捕獲されることにした。

ちょっとインタビューいいですか、と本気撮影クルーに囲まれてしまい、暇をつぶすにはなかなか贅沢な趣向だなあ、と思ってるうちに強引に撮影開始。「派遣法改正が見送られましたけど、どう思いますか?」
という派遣社員について考え抜いたボクのための質問がきた。さあ、なんて答えよう。

「えー、別に興味ないっすね。まあ、政治には何も期待してないっすよ。もう勝手に生きるしかないんじゃないっすか。」

なんてテレ朝の報道ステーションであることに直前に気付いたのでテレビに映ると何かと不都合だなと思い、しかし撮影はじまってるし、採用されないコメントを、と思ったんだけど、これだったら政治に無関心ないまどきの若者ってことで逆に採用されちゃうかも、と途中で転向。

「現状には不満しかありません。国家に期待するのはベーシック・インカムだけです。必要最低限の生存権を保障できなきゃ国家が存在する意味ないでしょ。派遣にも正社員にも未来なんてないですよ。働かないでも生きていける仕組みを早急に作って欲しいですねえ。」

現状に不満はありませんか?
正社員になりたいとは思いませんか?

なんてボクを刺激する質問をあびせられておもわず勢いよく答えてしまったのだが、テレビの規格外のことをいえば安心だと思ったのだが、いや、実はテレビはいまこういうコメントを求めているんじゃないかと勘ぐりはじめ、今夜放送されたら明日どんな面で職場に行けばいいんだろう、と急に不安になってきた。

が、そんなことは思い過ごしで報道ステーションに出てきた街頭インタビューは当たり障りのない派遣女子のテレビ的コメントだったというを友人が教えてくれた。なんか残念。


ラブコメを観る 2010年06月18日09:03

ボクのお昼の憩いの場、松葉寿司の向かいに無駄にお洒落な花屋がすごいスピードで完成した。すぐ近くに花屋があるのになぜここに、と思ったら撮影機材も増えてきてどうやら映画のロケのためのセットらしい。

松葉寿司のおばちゃんから撮影協力の通知を見せてもらったんだけど、今夏公開の『ラブコメ』という映画の撮影だという。出演者は香里奈、北乃きい、田中圭、渡部篤郎。

昨日は、オカマの役なのか、お尻をぷりぷり振りながら花屋に駆け込む渡部篤郎を観察していたのだが、ボクが見たいのは香里奈か北乃きいであることは言うまでもない。今日、遭遇できることを芸能の神に祈る。

ロケの現場は、乞胸と呼ばれる元祖芸能人が江戸時代に下谷山崎町(職場のあるところ)を追い出された後に住み着いた門前町。テレビにはもはや興味ないけど町中で見る芸能人は好き。



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  • By harpobucho / Jun 20, 2010 10:30 pm

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