演出と演技

「生活ノタメデス」 by 川島雄三

助監督としてついた今村昌平に「どうしてこんな作品ばかり撮るのですか?」と詰め寄られて言った一言。




職場は撮影所であり、自分を大部屋俳優だと思い込むこと。スーツを着ているのはそれが衣裳だからであり、朝から晩まで働くのはそれがそういう長回しのシーンだからである。自分の好きなポジションに架空のキャメラをおったてただ演ずるのみ。熱演する必要なんて全くなく、ただ生活のために淡々と役をこなしていけばいい。

監督は、職場の上役ではなく、自分自身であることも重要だ。奴隷になるか俳優になるか、実存がそこには賭かっている。そして監督の指示は絶対であること。危険なのが気が緩む休憩時間である。そこで交わされる何気ない雑談タイムこそが、アドリブをめぐって監督(自分)と俳優(自分)との緊張関係がマックスに達する瞬間。ときには黒澤と勝新の間で起きたような緊張が走ることもあるだろう。だがそこは作品のそこそこの成功のためにお互い妥協してうまくやるべきだ。所詮はプログラム・ピクチャーだもの。

嫌な上司が悪役を演じている俳優(普段はすごくいい人)に見えてきたら、だいぶいい線いってると思う。

銀座シネパトスで森繁追悼企画
http://www.humax-cinema.co.jp/cinema/special/meigaza/ginza_meigaza2.html

『とんかつ一代』お見逃しな方はこの機会にぜひ。また行こうかな。

こっちも気になる。
誘惑の女優列伝 Part1 ひし美ゆり子
http://www.humax-cinema.co.jp/cinema/special/meigaza/ginza_meigaza3.html


  • HarpoBucho
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  • By harpobucho / Dec 14, 2009 10:33 pm

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