みんな去れ、ひとりも残るな

「スト決行!TBSからアナ消えた」

 TBSのニュース、情報番組に出演しているレギュラーのアナウンサー陣が13日、一斉に番組から姿を消す事態が起こった。TBSの労働組合が同日正午からストライキを行ったためで、組合員であるアナウンサーらも番組への出演を取りやめた。アナウンサーがストのため出演を見合わせるのは、他局を含めてもここ10年ほど例はなく、異例の事態だ。
  ◇  ◇
 「木村郁美アナウンサーは、今日はお休みです」。フリーの福沢朗キャスターが「ピンポン」でこう説明したのを皮切りに、午後から夜にかけて、人気アナウンサーの”欠席”が相次いだ。
 TBS広報によれば、今回のストは春闘の会社側の一次回答に対するもので、13日正午から深夜0時までの時限スト。このため「ピンポン!」のほか「2時っチャオ!」「イブニング・ファイブ」「ニュース23」などの生放送で組合員アナが不在となり、代わりに管理職アナウンサーや外部キャスターが穴を埋めた。また、番組内容も多少変えてしのいだという。
 TBSの労働組合は、TBSとTBSテレビ社員からなるユニオン制で、管理職以外は全員加入する。スト自体は正当な権利だが、ストライキによって番組に影響が出るのは極めてまれ。NHKを含めた他局でも、ここ10年は行われた例がない。TBSによれば「自分がストに入るか入らないかはそれぞれの判断」というが「除外申請」をすれば業務を行うことも可能という。
 TBSのストライキ決行を知った各局も驚きを隠せない。民放局員は「かなり昔はあったみたいだけど、最近はストが成立したことがない」「すごいね。ウチは組合が弱いからそんなことは起きたことがない」「伝説として聞いたことはあるが…」と、口々に驚きのコメント。NHK職員も「かなり昔はありましたが、画面上影響が出るようなことはここのところはないですね」と話した。
 各番組では「○○アナは休み」という事実だけを冒頭で知らせ、理由の説明は行われなかったため、TBSに問い合わせた視聴者もあった。
(3月14日9時37分配信 デイリースポーツ)

タレントなきタレントたちの空気読みあいゲームに疲れ果て、テレビを熱中してみなくなってしばらく経つが、出演者が全員消えたテレビならぜひ観てみたい。植物の成長を延々と映しているようなミニマルな放送を。

闘争のアサンブレア.jpg
闘争のアサンブレア

退職手続き終えた心情に「ハローワークかアサンブレア(都市住民たちによる近隣住民集会)か。」という帯の煽りは悪魔的に魅力的だが、ボクは欲張りなのでハローワークに通い職を探しつつ、ピケテロス(失業者)としての自覚も膨らませていくことにする。労働能力のある労働者として「失業者」であるという自覚。だからなるべく国から貰えるものはもらっておくよ。

この本は当初『アルゼンチン、社会の実験室』というタイトルで2004年に刊行予定であったが、「派遣村」のニュースで幕を開けた2009年に暮らすボクたちにとってこのタイトルは不適切だということで書名変更。約10年前のアルゼンチンの経験が、もはや純然たる「実験室」と呼べなくなっているのが今の日本の状況だろう。社会情勢の影響を一番最初に受ける失業者は、ある意味時代の最先端で、生き方として魅力的に思えてしまうのは当事者(4月から)だからこそ許される倒錯した考えか。

廣瀬純+コレクティボ・シトゥアシオネス=著
『闘争のアサンブレア』
http://getsuyosha.jp/kikan/asambleas.html

失業の先にあるのは「求職」「再就職」だけではない。
職場を占拠せよ、労働を拒否せよ、偽通貨を流通させよ! 闘いの都市ブエノス・アイレスが、いま、私たちに呼びかける。

政治経済運動の新たなる水平的・自律的集団性(アサンブレア)の構築へ。21世紀の始まりとともに、ネオリベラリズムに抗して立ち上がったアルゼンチンの失業労働者や職場占拠労働者、都市中産階級たちの様々な実践と挑戦を紹介。《生活=闘いのための作業仮説》をめぐる、熱き対話集。

(本文より)
「廣瀬:アサンブレアの試みにおいて興味深いことのひとつは、この運動が自分たち自身で互いに呼びかけ合うことによって出現したという事実にあるということ、政党によるリーダーシップも、労組によるリーダーシップもなしに生まれてきたということです。」
「コレクティボ・シトゥアシオネス:次のようにも言えるかもしれません。アサンブレアが構成したものは、都市部の断片化された空間全体のなかに国家的でも市場的でもないような公共空間を生産するための、潜勢力に満ちたひとつの新たなやり方なのだと。」

目次
まえがき  廣瀬純
第一章 19/20—-権力を解任する民衆蜂起
ポジティヴな「NO」/蜂起の背景/新たな社会的主役/アサンブレア、ピケテロ運動、そして銀行預金者たち/略奪行為の意味/「みんな去れ、ひとりも残るな」/アルゼンチンにおいて「階級」を語ることの問題点/各社会階層の変化/ペロニスモ
第二章 ピケテロ運動—-自律性・水平性の実践
アルゼンチンにおける社会的諸実践/ピケテロ運動とは何か?/社会プラン/二〇〇一年一二月をめぐる各派のスタンス/二〇〇二年六月二六日の虐殺/「自律性」と「水平性」/「自律性」と「自立」のちがい/運動に対する日常的な攻撃/新しい社会的関係の日常的な構築/アサンブレア的な実践/バリオとの関係性/近隣住民アサンブレアとピケテロスのアサンブレア/教会
第三章  雇用主のいない企業、オルターナティヴ市場
労働者たちによって自主管理された企業/占拠のありようの多様さ/ブルクマンで何が起こったのか?/「生産組合化」と「国有化」/弾圧の意味/工場占拠と女性たち
第四章 都市中産階級の政治化—-近隣住民アサンブレア
アサンブレアのダイナミクス/近隣住民アサンブレアの出現と展開/グローバルな抵抗運動との関係/「占拠」に対する政府の態度/キルシネル政権と「民衆」
第五章 正義がないなら、エスクラチェがある—-「母たち」と「子どもたち」
エスクラチェと「新たな革命的主観性」/「母たち」と「子どもたち」/新たな革命的主観性/民衆エスクラチェ委員会/アルゼンチンの「錯綜した歴史」/エスクラチェの一般化によってあきらかになったこと
付録  コレクティボ・シトゥアシオネス+サンドロ・メッザドラ
二〇〇四年七月—-権力を解任するカーニバル/二〇〇五年一〇月—-運動のメランコリー
解説 ブエノス・アイレス報告  廣瀬純
「みんな去れ、ひとりも残るな!」/「脱政治化された消費者」たちの闘争(アサンブレア運動)/失業労働者たちの闘争(1)—-運動の震央としての「郊外」/失業労働者たちの闘争(2)—-「市場」からの脱出/「我々はみな《五月広場の母たち》の子どもだ」(キルシネル政権)/「制度的正常」と「ふつうの資本主義」とへの回帰/さらば、ブエノス・アイレス
あとがき  コレクティボ・シトゥアシオネス

著者:
廣瀬純(ひろせ・じゅん)
1971年、東京生まれ。龍谷大学経営学部教員。仏・映画批評誌『VERTIGO』編集委員。著書に『美味しい料理の哲学』(河出書房新社)、『闘争の最小回路—-南米の政治空間に学ぶ変革のレッスン』(人文書院)、『シネキャピタル』(洛北出版、近刊予定)。訳書にパオロ・ヴィルノ『マルチチュードの文法』(月曜社)、トニ・ネグリ『芸術とマルチチュード』(月曜社、共訳)、同『未来派左翼』(NHK出版)など。
コレクティボ・シトゥアシオネス(Colectivo Situaciones)
1999年、「運動としての調査」グループとしてブエノス・アイレスにて結成。著書に『19と20—-新たな社会的主役についての覚書〔19 y 20. Apuntes para el nuevo protagonismo social〕』(2002)、『仮説891—-ピケットの彼方へ〔La Hipótesis 891. Más allá de los piquetes〕』(2002. MTDソラーノとの共著)、『季節移動大学—-テリトリー、ネットワーク、言語活動〔Universidad Trashumante. Territorios, redes, lenguajes〕』(2004. 季節移動大学との共著)、『高山病—-蜂起するボリビアへの旅/証言集〔Mal de Altura. Viaje a la Bolivia insurgente / Testimonios〕』(2005)、『密林へようこそ—-EZLN第六宣言から始まる対話〔Bienvenidos a la selva. Diálogos a partir de la Sexta Declaración del EZLN〕』(2005)、『どちら様ですか—-コールセンターでの魂の奴隷労働に対する闘い〔¿Quién habla? Lucha contra la esclavitud del alma en los calls centers〕』(2006. ニコ・バラコ、マルソ、クリスとの共著)、『学校にはゾウがいる—-郊外の子どもと教師〔Un elefante en la escuela. Pibes y maestros en el conurbano〕』(2008. 土曜アトリエとしての共著)など。詳しくは下記のウェブ・サイトを参照のこと。
http://www.nodo50.org/colectivosituaciones/index.html

本書で紹介されているアルゼンチンの失業労働者グループ
M.T.D. Solano(特技:道路遮断)



『オルタ』特集 恐慌前夜
─世界はいかに再編されていくのか?
http://www.parc-jp.org/alter/2009/alter_2009_01-02.html
main2009_01-02.jpg

『オルタ』最新号の廣瀬純さんのインタビュー「日常生活=運動 ─三つの移行から」もぜひ一緒にどうぞ。 今最も読むべき雑誌です。


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  • By harpobucho / Mar 14, 2009 8:04 pm

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