おいしい冷し中華

中国がまだ終わらない。

昼飯にウチから歩いて10秒の中華料理屋に冷し中華を食べに行った。むこうで中華は飽きるほど食べたが、ボクはやっぱ文化が混淆してるものが好きなわけで、冷し中華という日本的な中華料理がむしょうに食べたくなったわけだ。冷し中華といえば山下洋輔や筒井康隆が会長を務めた「全冷中」のことを秘密結社マニアのボクとしてはどーしても語りたいところだが、今回はやめにしよう。

とにかく冷し中華を食べに行ったのである。おいしいラーメンは雑誌やネットですぐに発見されるが、おいしい冷し中華はなかなか発見されない。だが最近、ボクは自宅から10秒歩いた超近所に発見してしまったのだ。

ふわっとした玉子、シャキシャキとしたレタス、フレッシュなトマト、コリコリとしたクラゲ、プリプリとした海老、存在感のある鶏肉、そして冷えてコシのある麺。完璧。醤油と胡麻の2種類のタレのどっちを選択しても間違いない。シュウマイと杏仁豆腐(これも絶品)がついて780円。これこそがボクが追い求めていた冷し中華だ。

しかも今日に限って具が一種類多いことに食べ終わる一歩手前で気付く。なんと、1.5センチほどのゴキブリの死骸が裏返って、醤油ダレの上をプカプカと背泳ぎをしているのだ!

ぎゃー!

と普段ならなるわけだが、中国帰りのボクにはこんなことはなんでもない。普段気付かないだけで、よくあることだとさえ思う。ただ、注文した麺にゴキブリが入っていて、店に因縁をつけるというコントなシチュエーションはなかなかないので、かなり「おいしい」。こういうときの店員の対応ってのはいろいろ勉強になるし。だから、満席の店内で「ハイ!」って手をあげて「この冷し中華にはゴキブリが入ってます!」と周囲に聞えるように言ってみたのである。この店員の切り返しに店の運命が託された!

しかし、店員は黙って皿を下げただけだった。ポカ~ンとするボク。厨房に戻り、コックに報告している様子。どうやら店員もコックも中国人で複雑な日本語がしゃべれないらしい。クレーム対応マニュアルなんてもちろん存在しない。まあ、ボクも「ニーハオ」と「シェイシェイ」の2語だけで1週間中国を過ごしてきたので文句は言うまい。筆談に突入。まだ中国にいるんじゃないかという錯覚に陥る。何を書いていいかわからず、とりあえず「油虫入冷面、大変不快」と書いてみる。

また無言で厨房に消える店員。今度は携帯電話を片手に戻ってきた。またまた無言で手渡される携帯。沈黙は金なりってか。受話器の向こうから中国語訛りの日本語が聞えてくる。どうやら責任者らしい。ボクは事情を話し、いかに自分の心が広いかをアピールしつつも最大限の見返りを得れるように話しを持っていこうとしたが、失敗。やっぱクレーマーにはなれないな、ボクは人が善すぎて。まー一食タダで食えたし、ブログのネタになったからいいか。

今回の旅で中国には借りがある。ゴキブリのおかげで負債ゼロになったので実は良い出来事だったのじゃないか、と無理やり超ポジティヴ思考。お腹が痛いのは気のせい、気のせい。


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  • By harpobucho / Sep 09, 2007 3:01 am

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