アンドルー・ワイル

余計なお世話

病人と乞食は三日やったらやめられない、なんて言葉がありますが、あれ、違うか、医者と乞食か、まあいいや、どっちも医療に関わる者だからね、そう、確かにやめられないのでございます。

神経麻痺ってものは三日やそこらで治るようなポップな病ではないので、気長に待つ必要があるのですが、そんなことではなく、もっとメンタルの問題なのであります。病人はおいしい。みんなやさしい。人のあたたかい施しを享受する身分であるという点では、やはり病人と乞食をセットにしてしまうのは間違っていないと思うのですが、病人からも乞食からも怒られそうですね。ともかく、病人で居続けたいという危険思想が自分の中にあるのを発見したときに、とても恐ろしい気持ちになりました。

おいしい生活

これは自然治癒力というものを鈍らせます。「治りたい!」という強い気持ちがないと病気は治らないというのはアンドルー・ワイル先生(入院中、ペペ長谷川氏から『ナチュラル・メディスン』暗示CDブックを頂きました)が口を酸っぱくして言ってることです。気をつけます。

日々みなさまからのご好意をありがたや、ありがたや、と受け入れているのですが、なかには余計なお世話というのもございます。これは「労働」という形態のなかから出てきます。先日こんなことがありました。

ブルース・リーの師匠の葉門(イップマン)の映画を観にいこうと新宿武蔵野館に向かう途中、まずは日常のスクリーンを奇麗にしようと思い、眼鏡屋さんの外に出ている眼鏡洗浄機に立ち寄りました。自分で洗浄していると店員の方がお店から出て来て、私にやらせてください、というのです。人の仕事を邪魔しちゃいけないと思い、どうぞどうぞとお任せすることにしたのですが、コミュニケーション労働の時代ですから、世間話という労働が彼に課せられていたのです。

「花粉症大変ですよねえ」と店員さん。顔を冷やしてはいけないので外出時は常にマスクをするようにしています。そして麻痺で瞼が鈍っているので常に涙目なので店員さんは勘違いをされたようです。

「違います。顔面神経麻痺です。」とボク

「・・・・・・・」

気まずそうな店員さんはさらに攻めに出ました。
「これからお仕事ですか?」

「無職です。」ときっぱり。

「・・・・・・・」

麻痺で愛想笑いができないのでちょっと相手にきつく響いてしまったかもしれません。それは申し訳ないことです。しかし、まったく余計なお世話です。現代の労働は余計なことばかりしているように思えてなりません。これからは眼鏡は自分で洗うようにします。



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